サムスンディスプレイ製パネル採用ウルトラワイド「JN-QOLC49G144DQ-HSC9L」の魅力に迫る

サムスンディスプレイ製QD-OLEDパネルは何がスゴイ? ポイントは白なしRGBのみで色を再現している点

文●宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: 株式会社JAPANNEXT

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RGBの3色だけで十分な輝度を実現
純色に近い色表現が可能

──御社のQD-OLEDならではの特徴は何かありますか?

高橋氏:他社メ-カ-さんのWhite OLEDと弊社のQD-OLEDとの構造的な違いは、有機層の上から光を取り出すトップエミッション方式を採用している点です。これは、従来のLCDと似た構造となっています。

山本氏:OLEDの構造は、大きく分けてトップエミッションとボトムエミッションがあるのですが、White OLEDはボトムエミッションを採用していて各ピクセルを制御する信号配線が有機層の前面に配置されるため、開口率が低下し、光が透過する量がどうしても少なくなってしまいます。その場合は輝度が落ちてしまうので、それを補うためにRGBに加えてホワイトを入れています。弊社の場合は、そうした信号配線が有機層の裏側に配置されているトップエミッションを採用しているため、光を遮るものがなく開口率もしっかり確保できています。そのため、ホワイトを入れる必要がなく、RGBの3色だけで十分な輝度が出るようになっているというわけです。

金氏:光の三原色であるRGBのみで色を表現することで、カラーボリュームが高く、純色に近い正確な色表現が可能です。また、解像度を高めやすいという利点もあります。

山本氏によると、トップエミッション方式を採用したことで輝度を十分に確保でき、ホワイトを使用する必要がなくなったとのこと

QD-OLEDではホワイトを使用せずRGBだけですべての色を表現するため、純色に近い鮮やかな映像が実現できると強調する金氏

──RGBだけですべての色を再現することでほかにどのようなメリットがありますか?

高橋氏:ディスプレーの性能の1つに可読性というものがあります。これは、文字を表示させた際の読み易さを表すものですが、ピクセルの構造によりかなり変わってきます。既存のWhite OLEDはRGBに加えてホワイトが入っている分、文字を拡大してみると色が付くなどして少しぼやけたように見えます。弊社のQD-OLEDは、RGBの3色ですべての色を再現していますので、高い可読性を実現しています。

量子ドットテクノロジー採用で
BT.2020は90%、sRGBカバー率は148%、DCI-P3は99.3%を実現

──量子ドットテクノロジーを採用したことで得られるメリットはなんでしょうか?

金氏:量子ドットテクノロジーでは、QD層(量子ドット層)に青色LED光を当てて色変換を行なうことで色を表現します。そのため、色再現性が良好で、弊社のQD-OLED TVではBT.2020 90%を実現しています。モニターでは、DCI-P3についても99.3%と高いカバー率を実現しています。あとは、視野角が広いですね。49型ウルトラワイドの画面端は正面と同じ輝度と色を経験することができます。

sRGBカバー率は148%、DCI-P3は99.3%、Adobe RGBは110%カバーを実現

山本氏:White OLEDと弊社のQD-OLEDの色再現性の差は、カラフルな映像だと分かりやすいと思います。白基調の映像だとさほど差はありませんが、原色が多い映像を表示した場合に両者の違いはより顕著になります。

小此木氏:色鮮やかなゲーム、例えばSIEさんのレーシングゲーム「グランツーリスモ7」のようなタイトルをプレーしていだだくと、QD-OLEDの色再現性の高さを体験できると思います。

JN-QOLC49G144DQ-HSC9Lに表示されている白色のピクセルをマイクロスコープで見ている様子

RGBの3色だけで白色が表現されている。金氏によると、QD-OLEDを採用したテレビが発売された際、量販店で消費者がこのようにピクセルを見れる訴求を行なったという

一方こちらは赤色のピクセルをマイクロスコープで見た内容

──リフレッシュレート500Hzに対応した製品も予定しているとのことですが。

高橋氏:ゲーミング用途を考えた場合、やはり高リフレッシュレートへの対応は必須となってきます。そんな中、QD-OLEDは高リフレッシュレートに関して優位性があると考えていまして、まずは27型のQHDでリフレッシュレート500Hzに対応したモデルを開発している次第です。VESAさんが策定したClearMRという規格がありますが、これは動画などを表示する際、どの程度ぼやけるかを評価したものです。これまでは、ClearMR 9000に対応しているのですが、リフレッシュレートが500Hzまでいきますと、ClearMR 13000程度のクリアな画面が得られるようになります。ちなみに、QD-OLEDのリフレッシュレートはLCDとは若干異なり、QD-OLEDで60Hzの場合、LCDでは90Hz程度の感覚が得られます。QD-OLEDで175Hzだと、LCDでは360Hz程度ということになります。

小此木氏:テレビ用では、コアゲーマーがそこまで多くないため、リフレッシュレートは144Hzあれば十分ですが、PC向け、それもゲーミングPC向けとなってくると、eスポーツシーンでもリフレッシュレートというのは重要項目のうちの1つです。QD-OLEDのほうが、LCDに比べてリフレッシュレートが体感的に速く感じる点は、コアゲーマーに喜ばれる点でしょう。一瞬を争う対戦型のゲームでは、キャラクターなどを動かす際にどうしてもブレが生じ、残像が発生しますが、QD-OLEDではその移り変わりが滑らかに表現できるので、キレイに感じると思います。

リフレッシュレート500Hzに対応したモデルもプランニングしているという高橋氏

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