歴史と伝統のホテル「ペニンシュラ」の物語! 第6回

なんて読むか分かりますか? 隠れキャラも描かれた浮世絵のタイトル「THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ」

文●ザ・ペニンシュラ東京

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ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵

 皆さん、こんにちは。日比谷のホテル「ザ・ペニンシュラ東京」です。

 2025年がスタートしましたね! 皆さま、それぞれ英気を養い、新年への希望を胸に新年を迎えられたことと思います。本年もよろしくお願いいたします!

さて、2025年初めは、「ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵」のご紹介をさせてください!

 江戸の浮世絵プロデューサー、蔦屋重三郎が主役のNHK大河「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の影響もあり、話題沸騰中の浮世絵。「ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵」は、国内外のお客さまに日本の伝統アートのひとつでもある浮世絵文化をご紹介することはもちろん、その伝統を継承する職人の方々の直接的な支援にもつなげることを目的とし、2022年よりプロジェクトを実施。現在と過去が融合する“ザ・ペニンシュラ東京の日常”を描いた浮世絵3種類を制作しました。

 浮世絵制作にあたり、「UKIYO-E PROJECT」(https://ukiyoe.today/jp/home)に監修を依頼、絵師のOZ-尾頭-山口 佳祐氏(https://oz-te.com)、永井 沙絵子氏と安部 紗弓氏の 2名の彫師、摺師の小川 信人氏に、それぞれ数ヶ月ずつかけて創り上げていただきました。

 現在、ホテル地下1階に「ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵」を展示しています!

ホテル地下1階の展示スペース

ホテル地下1階の展示スペース

 展示スペースでは、構想段階のスケッチをはじめ、主版や色版の展示、分業の様子を分かりやすくまとめた動画を上映。さらに、絵師であり画家のOZ-尾頭-山口 佳祐氏に依頼した浮世絵と同デザインのキャンバス画3点も展示しています。

 浮世絵を間近でご覧いただけると共に、浮世絵制作について触れていただける貴重な機会ですので、ぜひお立ち寄りいただけると嬉しいです!

 ところで皆さん、浮世絵がどのように制作されるかご存じですか?

 制作はざっと下記のような手順で行われています。

1.絵師:版元の依頼を受け、輪郭線だけが描かれる版下絵を制作。
2.彫師:版下絵を版木に貼り、その絵に沿って「主版(おもはん)」と呼ばれるモノクロの版を彫り、黒一色で摺られる「校合摺(きょうごうずり)」を作成。
3.絵師:その校合摺に「色さし」という配色の指示入れを行う。
4.彫師:校合摺を版木に貼り、その絵に沿って「色版」を彫る。
5.摺師:和紙に主版、色版(色ごとに)の順に摺り重ねていく。

 絵師、彫師、摺師…まさに、分業がなせる業ですね!!!

 ここで、現在(2023年時点)と過去が融合する“ザ・ペニンシュラ東京の日常”を描いた各デザインをご紹介します!

①THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ 正面玄関 おもてなし

THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ 正面玄関 おもてなし

 ホテルの正面玄関でのご到着シーンを描いたもの。現在使用している1934年製のヴィンテージロールスロイスや、馬、人力車、篭などの江戸から明治時代の乗り物が混在します。

②THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ ザ・ロビー 午後のひととき

THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ ザ・ロビー 午後のひととき

 特徴的なシャンデリアや正面のオブジェ(『臥龍の門』)を擁するホテルロビーでのひとときを描いたもの。江戸時代の女性たちがアフタヌーンティーを楽しんだり、海外のお客様と交流しています。

③THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ 日比谷の灯篭 あさひを眺む

THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ 日比谷の灯篭 あさひを眺む

 西の方角からザ・ペニンシュラ東京を望む鳥瞰図。左上には灯篭にデザインのヒントを得たザ・ペニンシュラ東京の外観が描かれています。遠景には霞のかかる東の空に日が昇る様子、その手前には、銀座や日本橋、丸の内などの現代のビル群を望みます。一方皇居には、旧江戸城が存在しており江戸時代を表現しています。

 「ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵」は、国産の楮(こうぞ)100%を使用し、手作業で漉きあげられた福井県の手漉き和紙「越前生漉奉書」を使用。強さとしなやかさを兼ね備え、古くから浮世絵や日本画に使われている素晴らしい和紙だそう!(各サイズ260mm×380mm)

 また、各浮世絵には、ザ・ペニンシュラ東京に関連のある意味を持つ当て字で表記した共通タイトル:「THE 戸゜任朱邏東京圖ゑ」(ザ・ペニンシュラ東京図絵)が付けられ、それぞれ右上に配置されています。当て字のインスピレーションは下記の通り。

戸゜(ぺ): 出入り口、扉。正面玄関の回転扉からイメージ
任(にん): 思いやり、情け、敬うの意味。ペニンシュラ・ホスピタリティからイメージ
朱(しゅ): 赤色。ホテル内のデザインからイメージ
邏(ら): みまわる、めぐるの意味。ホテルのあるべき姿からイメージ

 各浮世絵には、ロールスロイスやアフタヌーンティー、白い制服を着た“ページ”など、「ザ・ペニンシュラ香港」から大切に受け継ぐ、ペニンシュラのアイコン的存在が描かれています!

ロールスロイス

ペニンシュラ仕様の1934年製ロールスロイス

アフタヌーンティー

ペニンシュラの代名詞“アフタヌーンティー”

白い制服を着た“ページ”

ペニンシュラならではのスタッフ “ページ”

 また、それぞれには共通して登場する隠れキャラも!!!

 建物の守り神として前身のビルから引き継がれ、現在はザ・ペニンシュラ東京7階の外観部分に鎮座する“ガーゴイル”が必ず描かれているという遊び心満載の浮世絵なのです。ペニンシュラのアイコンやガーゴイルがどこにいるか探してみてくださいね♪

ガーゴイル

建物の守り神であるガーゴイル

 日本が世界に誇る伝統アート「浮世絵」。長きにわたり、香港から始まった歴史と伝統を継承するザ・ペニンシュラホテルズー私たちザ・ペニンシュラ東京も時代を超えて愛される「浮世絵」のように、お客様から愛され、何世代にもわたりお戻りいただけるホテルを目指しています。

 「ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵」が、少しでも、芸術文化の伝承と素晴らしい技術を持った職人の方々の支援となるよう…。そして、時代を超えいつまでも、ホテル、スタッフ、お客様に寄り添い、共に歴史を刻んでいくような作品であることを願っています!

 各デザイン初摺100枚限定で制作された本浮世絵は今年販売予定で、額入りは19万5000円、額無しは14万5000円で販売(いずれも税込)いたします。販売方法に関しては、追って公式HPでご案内予定ですので、ご興味をお持ちいただける方はチェックいただけると嬉しいです。

■ザ・ペニンシュラ東京 浮世絵:オリジナル浮世絵制作 | ザ・ペニンシュラ東京

 今回もお読みいただき、ありがとうございました!