~ママ向けブランド立ち上げのために奮闘! アラフォー姉妹によるチャレンジ③
二人三脚だからこそできたこと! 姉と妹の思いを詰め込んだブランドがついにデビュー
ブランド運営について模索していた日々から抜け出し、新たなステージへと!
新ブランドのお披露目は無事終了したわけだが、展示会にかかる費用も気になるところ。会場費については漫画でも触れられていたが、それ以外にはどんな経費がかかってくるのだろうか。
「会場費、洋服の制作費も含めて初期費用は100万円ほど、広告費をかけるならもっと必要ですね。私の考え方として、起業はいきなり大きなコストを使って打ち出すというより、小さく始めて試しながらスケールアップさせていく方がいいと思っています。そのため自己資金で賄える最小限のコストで、今回の制作から展示会開催まで行いました。広告費は一切使わずに自分たちのSNS運用だけでPRし、撮影もヘアメイクをつけずカメラマンさんのみ外注。制作費も自身で縫製するなどして、コストを抑える工夫をしています。支払いが発生したのはパターン制作費、着数の材料代、タグや品質表示、ショップバッグ、ポスター、商品撮影費、会場レンタル費、展示会で使う備品、妹が上京する宿泊・交通費でしょうか」
「ただし、コストを抑えるために自分たちが抱えすぎると、今度は新しいことができなくなるため、そのために外注費をかけていくことも必要かなと。現在は初期投資の段階だと考えていますので、まずは着実にブランド運営を継続させ、費用回収できるよう進めています。ブランドそのものが無くなってしまうと買ってくれた方に残念な思いをさせるため、まずは安全運転で継続していくことが至上命題です」今回、新ブランドというゼロ地点からスタートし、3日間の展示会まで全力で走り抜けた小柳さん。この半年間を振り返ってみて、今どう感じているのかを聞いてみたところ、「挑戦は新しい挑戦を生むんだと思います」という答えが返ってきた。
「何もないところから、〝実現させる〟という強い信念で行動に移したからこそ、次への改善点や目標が見えたと思います。2022年に開催した展示会を最後に停滞していた1年半を振り返ると、重い腰を上げる覚悟もできていなかったのかなと。どうブランド運営していいかを模索し続けていましたが、ようやくその暗いトンネルを抜け、この状態なら持続可能であると確信を持てました」
ブランド運営というかねてからの夢を本格的に再始動しようと決意を新たにできたのは、ちはるさんという頼もしい味方、そして相棒ができたことも大きい。
「一人と二人では、できることも全然違いますしね。そして、やはり姉妹なので初めから信頼もあり、変な遠慮や気遣いがなく、自分の都合や考えを腹割って話し合いながら進められるというメリットがあります。妹も初めて制作したブレスレットが売れるという経験ができたことが自信につながったようで。展示会が終わるころには、また次に向けてアクセサリー制作を継続したいと宣言していました。そのためにも、アルバイトの稼働時間を見直すなど、少しずつ軸足をブランド運営にシフトしていっています」
妹というパートナーを得たことで、今回の展示会は質的に向上し、今までで一番と言えるものになったという。そして、2人での運営はまだスタート地点に立ったばかりだが、すでに次へのステップに向けて走り出している。
「先日の展示会を終えてすぐに、次の予約を行いました。2025年4月12・13日、自由が丘で開催予定です。まずは小柄な方向けのサイズ展開を中心に取り組んでいくため、サイズ確認を一緒に行なっていただけるモニター様の募集を開始。〝制作段階からご興味を持ってくださるお客様を巻き込んだ商品開発〟を実施するという新しい取り組みです。ブランドの関係者が増えるとそれだけ運営者としての責任感が強まり、自分たちが宣言したことをやり抜く覚悟を求められます。その分、プレッシャーも感じていますが、新しい挑戦と信じて取り組んでいきたいと思っています」
近年、自身で制作した洋服のほか、アクセサリーや服飾雑貨などを個人で販売しているケースも増えてきている。そこで、最後に小柳さんのようにブランドを立ち上げたいと考えている、アラフォー・アラフィフ世代に向けてアドバイスをもらった。
「やはり起業の場合は、セーフティゾーンの確保が絶対に必要ではないでしょうか。私は副業の状態で起業していますので、仮に失敗しても、やり直しができたり、生活に支障が出ないという状態です。いきなりアクセル全開で新しい世界に飛び込むと、若い時と違ってリスクが高いのかなと。時間をかけて少しずつシフトさせていく…くらい慎重になってもいいと思っています。セーフティゾーンが確保されていれば、精神的にも余裕を持てますし、逆に物事がスムーズにいくのではと。そして、歳を重ねるほど過去の経験から頭で考えがちで、行動することが怖くなるもの。でも、どんな状況であっても、自分は受け入れて乗り越えられるという強い気持ちを持って臨んでいくことも、時には大切ですよね」
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