丸の内初心者がエモいセンサーで巡る!「昭和レトロさんぽ」 第18回
1カ月に1万4,000食以上も食べられたステーキカレーが衝撃の大サービス価格! 70年以上変わらぬ味を提供する昭和レトロなカレー専門店
丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。18回目となる今回は、JR有楽町駅と東京駅を結ぶ高架下にある「カレー専門店 ふくてい 有楽町本店」におじゃましました!
この界隈の“高架下”といえば、「有楽町高架下センター商店会」。薄暗~い通路に飲食店などが立ち並び、何やらディープな雰囲気が漂っているところです。まるでタイムスリップしたような通りで煌々と輝くのが、このお店の黄色い看板。入口上には「昭和30年から変わらぬ味」とも書かれていて、昼も夜もお客さんがいっぱいなので気になっていたんですよね~!
お店の外に張られているメニューを見てみると、え、ステーキカレーがサービス価格で毎日840円!? グランドメニューのとんかつカレーが850円!? これはびっくり、突撃してみるしかありません!
カウンターのみの小ぢんまりした店内は、昔ながらの「スタンドカレー屋さん」といった雰囲気。この気取らない感じ、なんだか懐かしいなぁ。注文は食券制で、入口横にある券売機で購入します。
ハンバーグ、とんかつ、コロッケ、海老フライ、チーズなど定番カレーは9種類あり、日替わりのオトクなサービスも。月・木曜はハンバーグカレー、火・金曜はとんかつカレー、水曜は鶏もも肉がのった山賊焼きカレーが、なんと740円になるようです。通常は850~890円のメニューなので、これは絶対見逃せませんね!
けっこう悩みましたが、やっぱりここは、お店自慢の名物だというステーキカレーをチョイス。1カ月に1万4000食以上が注文されたこともあるそうですよ! カウンターに座って待っていると、5分もしないうちにステーキカレーが運ばれてきました。早い!
大きなステーキ1枚がご飯の上にどーんとのっていて、なんとも豪華、しかも美しい~。まるでホテルの高級カレーみたい! ミディアムレアに焼かれていて、肉汁がじわーっとあふれています。こんな贅沢なカレー、食べたことないかも(笑)。お肉はスプーンで切れるほど柔らかくて、口に入れると…、とろけました! 歯もいらないくらいです(笑)。
カレーは辛さ控えめでまろやかで、子供のころに実家で食べていたようなどこか懐かしい王道の味。最近はスパイスカレーや各国のカレーも人気ですが、やっぱりコレですよね! ジューシーなステーキとも相性抜群で、もうスプーンが止まりません。
カウンターに出て接客をしていた店長の新井健司さんに、少しお話を聞くことができました。もともとこのお店のカレーは、1955(昭和30)年にJR神田駅西口構内に開店した純喫茶「エリゼ」で大人気だったメニューなのだとか。あまりに評判を呼び、すぐ隣にカレー専門店「福亭」をオープンしたのが1989(平成元)年。神田駅の大規模修繕に伴い、2010(平成22)年に現在の店舗で再出発しましたが、今も作り方や味は当時のままだと言います。
「カレーのルウはどのメニューも同じで、ベースは毎朝大きなずんどう鍋で2時間ほど煮込む鶏ガラスープ。玉ねぎやニンジンなどの野菜も加えた後、ミキサーでなめらかにしています」と、新井さん。
なるほど、あっさり飽きのこない味の秘密は、鶏ガラスープだったんですね! トッピングをのせないカレー単品500円のファンや、ほぼ毎日訪れるお客さんもいるというのもナットクです。
そのトッピングにもかなりこだわっていて、ステーキはクセがなく甘みもあるニュージーランド産の牛肉を使用。注文が入ってから1枚ずつフライパンで焼き上げてくれ、レアやウェルダンなど焼き方のオーダーもOKです。とんかつやコロッケなども揚げたてをのせてくれるので、サクサク、アツアツ。カレースタンドでこの細やかな気遣いはうれしいですね!
仕入れから仕込み、調理まで全部自分たちでやっているから、驚きのお手頃価格で出せるのだそうです。
一番人気のステーキカレーのほかにも、まだまだ気になるメニューがいっぱい! 2品ご紹介します。
まずは、山賊焼きカレー。「山賊って何!?」って思いましたが、長野県の名物料理で、鶏肉を醤油、にんにく、しょうがなどに漬け込んだ後、カラッと揚げたものです。衣がカリカリ、サクサクで、上にかかっているクミン、コリアンダー、カレー粉などのスパイスがカレーとよく合って、うーん、たまりません! これは文句ナシにおいしいチキンです。
もう一品がナスカレー。焼いたナスが丸々1個どーんとのっていて、インパクト大! ヘルシーで特に女性に人気だとか。
ちなみに、ステーキカレーはレトルトも販売しているのを発見! お店の厨房で1枚ずつ焼いたステーキとできたてのカレールウをこの場でパウチしているので、余計なものが入っておらず、まさにお店の味をおうちで楽しめます。これはうれしい~! 約2年8カ月もの歳月をかけてレトルト化に成功したんですって。お店で食べた後でも、通りがかっただけのときでも、絶対に買って帰らなくちゃ!
11/21(木)からは、満を持してメンチカツカレー850円も新登場。合い挽き肉を使った手作りで、新井さん曰く「肉汁がじゅわーっとあふれる、洋食屋さんレベルのメンチカツ」だそうなので、こちらも要チェックですよ~。
最初はあまりの安さが気になって入ってみた「カレー専門店 ふくてい 有楽町本店」でしたが、家庭のカレーのように全て手作りで、ハイレベルな味をこの価格で提供し続けていることに驚き! こういうカレーって日本人の“心の味”だと思うんです。まさに毎日食べても飽きないカレーなので、ぜひ日替わりで楽しんでくださいね!
ということで、第18回の「カレー専門店 ふくてい 有楽町本店」のレポートはおしまい! 次はどんな「昭和レトロ」に出合いに行こうかな~。
カレー専門店 ふくてい 有楽町本店
住所 東京都千代田区丸の内3-6-7
営業時間 11:00~15:00、16:00~23:00(一部のメニューは売り切れ次第終了)
定休日 日曜、祝日
電話 03-5220-3313
この連載の記事
- 第19回
地方活性
怪しげなネオンの先にある「麻雀オリオン」 トンネル下の知る人ぞ知る丸の内の憩いの場がいい味出してる! - 第17回
地方活性
「ちゃんと儲かってますか?」丸の内でこの価格はうれしい! 50年以上愛される「ザ・町中華」の肉が多すぎる肉野菜炒めが大正解! - 第16回
地方活性
なにやら不思議なネオンとのれん! 昭和感漂う「歌える居酒屋 本日開店」で取材中にみんなと大合唱! - 第15回
地方活性
丸の内にこんなレトロなお店が!? 60年以上続くエモい戸建ての喫茶店の本格料理にやられた! - 第14回
地方活性
東京駅高架下にあるおしゃれな昭和レトロなサンドイッチ店「KOKO」 やみつきになる「からあげドッグ」は超ボリューミーで男性でも大満足! - 第13回
地方活性
70年以上続く老舗「菊亭」の天ぷらがめちゃくちゃおいしいのにかなりリーズナブルで助かる! - 第12回
地方活性
今も昔も有楽町の甘味といえばココ! 名物“蔵王あんみつ”が気になり過ぎた - 第11回
地方活性
見よ!このおいしそうなカレーの盛り付け!長い修業を経て会得した職人技が光るインデアンカレー - 第10回
地方活性
元々のお客さんが喫茶店のママに? 素敵な縁でつながる交通会館のレトロ喫茶「阿蘇」が居心地よすぎる! - 第9回
地方活性
有楽町で50年以上!都庁の職員にも愛されたノスタルジックなザ・東京ラーメン!