ChatGPTやGemini、Copilotなど、生成AIアシスタントでさまざまな質問することができるようになった。筆者もさまざまな活用法を考えてみたが、そこで思いついたのが海外旅行。
旅慣れた人はどうしても同じルートを巡ることが多い。逆に旅慣れてない人は現地でそもそもなにをどうしていいかわからない。そんな疑問に生成AIは応えられるのか。旅で役立つのかをチェックした。通常のGoogle検索やGoogleマップでは
旅先でいつものパターンを踏襲してしまう
秋葉原でパーツショップを巡回するときに、気づけば同じ道を歩き、同じ店に行っていることがある。海外旅行でも同じで、ある都市に何度目かに行って今回は違うところを街歩きしようと思っても、以前と同じ道を歩き、同じ光景を見て、同じ店に入ることがある。
これには理由があって、ホテル街からGoogleマップでショッピングモールや鉄道駅、家電量販店、本屋などを検索し、行きやすい店に行こうとするのでどうしても行動が同じになってしまうのだ。
その行動に生成AIで尋ねるプロセスを挟んでみたところ、実際ににいつも行動ルートからまったく違うところに行くことができたし、知らないところでのスタートを快適に始めることができた。
まずはシンガポール空港で時間を潰す
通常の検索より少ないステップでちょうどいい場所が見つかる
シンガポール・チャンギ空港はとにかく巨大で、飛行機乗り換えに数時間の待ち時間があっても、時間を潰せる仕掛けが多数用意されている。
筆者もトランジットで訪問し、来たからには楽しみたいとスマホを取り出し、各生成AIに「チャンギ空港で楽しめる、他の空港にはない娯楽を教えて」と入力してみた。さすがにチャンギ空港の情報は多くの人が情報を発信してきたのだろう。規格外の巨大屋内滝や滑り台のほか、映画館まで出てきた。
また数時間の乗り換えに、ちょっとだけ空港の外に出てシンガポール観光はできるか聞いてみた。「入国には1時間を見ておいたほうがいいでしょう」との回答。なるほどさすがポケットサイズのコンシェルジュだ。検索するよりも数ステップ手間が少ないのがうれしい。
つづいてチャンギ空港でお土産を買いたい。高級ブランドの店は普通に目に付くので、安いお土産をどこで買えばいいのかと聞いてみた。
いずれの生成AIアプリも5つ教えてくれて、Copilotはなんと「ダイソー」を勧めてくれた。世界の大量のデータから学習した結果が「ダイソー」なのだろうか。
せっかく外国に来たのでダイソーはパスして、別の回答ではシンガポールの地元デザイナーの商品や限定アイテムが売られているという。iShopChangiという店が「他の場所では手に入らないブランドの商品が販売される」との回答に足を運ぶと、店の場所で見たものは「現在改装中で空いてません」。
肩を落として生成AIで出てきた元情報のリンクをタップすると、2019年に更新されたチャンギ空港おすすめ情報のリンクが元だった。店の情報をさらに聞こうにも、第Xターミナル内にあるとしか回答しないし地図も出るわけではないが、とはいえこんな見どころがあるというのを知るだけでも、道しるべを出してくれるだけありがたいと割り切って使う。過度に期待しない。これが大事だ。
ベトナムで現地の人向けの雑貨を探したら
外国人が来なさそうなカフェ兼家具店で楽しい
ベトナムというとネット上では雑貨が紹介されることが多い。ただし、そういうサイトでの雑貨はインバウンド向けのお土産だ。ここはガチで探してみようと、「ベトナムで中古家具を売っている店を5店回答して」と質問することにした。
ただし現地語で聞いたほうがよりローカルな情報になるので、一旦ベトナム語にGoogle翻訳などで「ベトナムで中古家具を売っている店を5店回答し、日本語で答えて」とベトナム語に翻訳した上で、その回答を生成AIアシスタントにコピペしてみた。
筆者がいたハノイの提示してくれた5店は、自身が過去に行ったことののないエリア・道路にあった。住所と名前は出るのでGoogleマップで確認し、アジアで強い配車アプリ「Grab」を使って現地の店に向かう。
今まで見たハノイとは違う景色があり、あらためて自身がいかに同じところをいつも巡っていたか思い知らされると同時に新たな景色にワクワクした。見つけた店は、地下駐車場に向かって一気に建物内を下って行って、その先にある中古アンティーク家具も売るカフェだった。
まったりとカフェで楽しんでいたベトナム人客も「なんでここを知ったの?」と旅行に来た日本人に興味津々の模様。アンティーク雑貨を見るだけでなく、いろいろ会話する面白い体験ができた。
ベトナムのハノイは、細く狭いペンのようなビルが多く密集し、その分だけ路地もあり、カフェのような隠れ家的な店が点在する。そこで「ハノイで見つけにくいけど素晴らしいカフェを日本語で教えて」と聞くと、「もちろんです!ハノイには隠れ家的な素敵なカフェがたくさんあります」という枕詞よりはじまり、5つ教えてもらった。
そのうち一軒のブックカフェを調べてみると、ベトナム人に人気なだけではなく、現地在住の欧米人にも人気の落ち着いた雰囲気のカフェだった。「ベトナム人に人気のカフェを教えて」とさらに質問をもう一捻りすると、よりローカルに人気のカフェが出てくるかもしれない。
外国の本屋というと、筆者が足を運ぶのがマンガコーナーや日本が紹介されたガイドブックコーナーだ。なぜかというと自分が元ネタを認知しているからであり、文字が読めなくても雰囲気がわかるからだ。文字を読まなくていい本といえば写真集もしかり。
そこで「ベトナム人が撮った面白い写真集を教えて」と生成AIに問い、5冊をリストアップ。本屋に寄った際に「この人のこの本はないか」とGoogle翻訳片手に聞くと本屋のスタッフさんもちゃんと調べてくれるのでありがたい。
残念ながらこのときは見つからなかったが、そこをトリガーに「おすすめの面白い写真集はありますか?」と翻訳アプリなどを活用し聞いてみるのはいいかもしれない。かくいう筆者も前述のブックカフェで店員さんに写真集を教えてもらって、楽しい時間が過ごせた。
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