魅力溢れる熱演の藤岡真威人さんと、理想のヒロインを再現してくれた加藤小夏さん
――出演者についてもお聞きしたいのですが、健太を演じた藤岡真威人さんはいかがでしたか?
坂本監督:健太を演じた藤岡真威人くんは、彼が持っているピュアさと、健太が持っているオタクならではのピュアさがすごくリンクしていて、原作のイメージの再現度がかなり高いと思います。真威人くんは特撮オタクとまでいきませんが、お父さんがレジェンドですし、特撮とは切っても切れない縁がある生活をしています。それに加えて、素晴らしい教育と環境のおかげで、すごくピュアな好青年です。その真威人くんの魅力がすごく溢れていると思います。初主演作で気合も十分入ってるので、是非皆さんに見て欲しいですね。
――女性陣はいかがでしょう
坂本監督:女性陣も皆さん素晴らしかったですね。アオイを演じた加藤(小夏)ちゃんは桂先生原作の『I"s』の実写ドラマにも出演していて、桂先生の理想のヒロインであるアオイを演じるのにふさわしい人物だと思います。お芝居も安心してお任せ出来る方ですし、ルックス、アクションなど、見事にアオイを表現してくれました。
――アオイというとワイヤーアクションなどもあったのでしょうか
坂本監督:ワイヤーは合成関係で少し使いましたが、基本的には剣を使ってのアクションがほとんどです。実写ドラマとして何処までリアリティを持たせるかが難しい選択ですが、アオイが普通の人間の状態で空を飛び回ってしまうと、リアリティが一気になくなってしまうことがあるので、今回はワイヤーを多用していません。
「満を持して」登場する『ウイングマン』
――トピックスとして、作品内に具体的な作品名が出てきたり、特撮ファンが反応しそうなものが用意されてますね。
坂本監督:特撮の小ネタがたくさん散りばめられていますね(笑) 今作は東映ビデオさんが企画として参加しているので、東映制作のヒーローに関しては権利関係をクリアに出来る作品が多いんです。
実際に具体的なヒーローの名前が出てきたり、キャラクター商品やポスターが飾ってあったりなど、自由度が高かったです。健太の設定も連載当時の人ではなく、今の時代の特撮ファンなんです。特に80年代の特撮が好きな傾向ですが、最新の作品も見てるので、どの世代の特撮ファンでも、くすっと笑えるようなネタがたくさん用意されています。
――現在は仮面ライダー、ウルトラマン、スーパー戦隊が放映されていて、さらに映画の「シン」シリーズがあり、ゴジラがアカデミー賞の視覚効果賞を受賞したりと、特撮分野がとても賑わっています。『ウイングマン』もそのムーブメントに乗れそうですか?
坂本監督:「満を持して」だと思います(笑)
原作は40年前の作品ですが、今でも色褪せない魅力が詰まっていますし、若い世代には新鮮に映ると思います。40代、50代の自分たち原作を読んでいた世代には、懐かしさを含めて、ウイングマンが今の時代にどう復活するかを見届けてほしいです。