携帯電話向け動画変換ソフト「携帯動画変換君」が、2024年10月10日でリリース20周年を迎えた。これを記念して、開発者のMIRO氏がウェブサイトを更新。ソフトのアイコンデザインのモチーフとなった「ライフゲーム」を設置している。
フィーチャーフォン時代の定番動画変換ソフト
「携帯動画変換君」の最初のバージョン、Version 0.01は2004年10月10日にリリースされました。なんと本日ちょうど20周年!記念に、アイコンで使われているマークのモチーフであるライフゲームを設置しました。https://t.co/VS0epaxp5jpic.twitter.com/m0y09TMSUG
— MIRO (@MobileHackerz) October 9, 2024
携帯動画変換君は、2004年に最初のバージョンが公開された動画変換ソフト。より正確には、動画変換ソフト「FFmpeg」のフロントエンドとして、操作を簡略化する役割を担うソフトだ。
PCに保存した動画を比較的簡単な操作でフィーチャーフォン(携帯電話)に対応した形式に変換できることから、出先で動画を楽しみたいユーザーを中心に人気を集めた。対応OSはWindowsNT/2000/XP以降だが、後に別の開発者の手で、macOSに対応した派生型(携帯動画変換ちゃん)も開発されている。
2024年10月10日現在も、携帯動画変換君は公式サイトからダウンロードできるが、2005年12月1日公開のVersion 0.34を最後にバージョンアップはされていない。MIRO氏によると、20周年にあわせてバージョンアップすることも考えたが、使用するコンポーネントをすべて揃えることができず、ビルドできなかったという。
また、同氏は公式サイトで「『携帯動画変換君』自体はもう長いこと更新しておらず、スマートフォンの普及によりその役割も終えたソフトウェアではありますが、いまだに仕事をしていても『携帯動画変換君使ってました!』と言われることも多くほんとうに愛されたツールであったことを感じます。ありがたいことです」とコメント。スパムが発生していたKnowledgebase Wikiを閉鎖したことも明かし、「今後はffmpegでわからないことがあったらChatGPTに聞きましょう!」と述べている。
この20年間で、携帯できる動画の解像度はフルHDや4Kまで進歩し、元動画のフォーマット次第では変換作業も不要になった。それでも携帯動画変換君を忘れられないのは、筆者のように、変換した動画を初めて携帯で見たときのワクワク感に魅了されたユーザーが、今もたくさんいることのあらわれかもしれない。