40歳を目前にオランダへ移住!長年の夢だった海外での生活をかなえるべくライフシフト

文●杉山幸恵

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オランダでの個人事業主ビザ取得&長期滞在は、しっかりした準備と心構えが必要

 日本人に対するビザ取得優遇があり、個人事業主ビザを取得することで、比較的容易に実現できるオランダへの移住。そのために必要なあれこれを矢島さんの経験をもとに教えてもらった。

 「まず、英語を話す努力をすること、資金を貯めること、生計を立てる手段を考えておくことは絶対に必要かなと。英語力ゼロで移住を成功させている方々は、コミュニケーション能力や営業力が高く、サポートしてくれる人脈を作るのがうまいです。私のように特別なスキルのない人は、英語を話してコミュニケーションを取らないと市役所の予約すら取れません。だから日本にいる間に英語を口に出す練習をしておいた方がいいと思います」

 矢島さんの英語能力は中卒~高校生レベルで、日ごろの簡単なコミュニケーションは取れているとのこと。

 「オランダ人の夫とは英語で会話できていますし、日常では十分ですが、会計士や医師と話す時は専門的な用語が必要になるので、その都度予習したり、何度も聞き返したりしています。今は生成AIや高性能な翻訳アプリがあるので、英語やオランダ語のWebサイトや手紙を読むのにそれほど苦労はしません。ただし、現地で仕事を探すにあたっては〝流ちょうに話せるレベル〟を要求される職業も多いため、英語力が弱いと職探しに不利なのは間違いないです。オランダ語は日本を出る前からオンラインで学習を始め、断続的に取り組んでいました。オランダに来てからは、毎日10分から1時間ほど時間を作り、アプリやオンラインレッスン、YouTube動画を見ながら勉強。永住権を取得する要件の一つであるInburgering examen(オランダ市民化テスト、オランダ統合試験)も無事合格しました。いまだに3歳児より話せませんが、義父母から『うまくなったね』と褒められます(笑)」

 英語力は移住後だけでなく、渡航前に日本で行う手続きにも影響してくるようで、それ次第で移住にかかる費用も異なるという。

 「英語が得意な方が情報収集し、自力でビザの取得までできれば、飛行機代や初月の家賃、申請書類の作成費用などで1,500~2,000ユーロくらいで済むかと。私は有料のビザサポートを申し込み、移住関連の難しい手続きはほとんどお任せしました。料金は各事業所によって異なりますが、2年前に調べた限りでは、サポート内容の手厚さで異なり、1,200~2,000ユーロの間くらいでした。さらに住居サポートも依頼するなら1,000ユーロ~などの諸費用が追加でかかるほか、ビザの取得や更新時にはビジネス口座に4,500ユーロ必要です。2022年当時は1ユーロ=130円くらいでしたので、私の場合、ビザを取得するだけで約100~150万円が必要でした」

 そして、オランダはヨーロッパの中でも税金や物価、家賃が高く、七瀬さん曰く「ものすごい勢いでお金が飛んでいく」のだとか。日本を出る前に、最低1年間は無収入でも生活できるくらい、しっかりと資金を貯めておくことが大事だという。では、月の1か月の生活費はどのくらいなのだろうか?移住当初、アムステルダムからバスで1時間ほどの町にあるシェアハウスに住んでいたころを例に教えてもらった

 ◆収入:約1,900ユーロ(304,000円)

 ◆生活費:1,100ユーロ(176,000円)

 →家賃:800ユーロ

 →食費:80ユーロ

 →健康保険料:150ユーロ

 →水道光熱費:家賃に含まれる

 →交通費:10ユーロ(アムステルダムまでバスで片道2ユーロ)

 →交際費:30ユーロ

 →その他:30ユーロ

 「もちろん月によってバラツキはありますが、おおよそこんな感じです。円に換算すると稼いでいるように見えますが、オランダの平均年収は約2,800ユーロなので低収入の部類。また所得税が36.93%もかかるので、実際に使える金額はかなり少ないです…。シェアハウスでも、アムステルダムでは1,000ユーロくらいする所もあるそうで、家賃は軒並み高め。現在は夫と二人暮らしで、出費は約半分に抑えられているので、ヨーロッパの証券口座を開設し、浮いた分を少しずつ投資信託に回して資産運用をしています」

アムステルダムの一画。週末はどの町でも青空マーケットが開催

役割を終えた風車が街中に佇んでいる、地元での何気ないひとコマ

 そして、当然のことではあるが、日本にいる間からオランダでどう働くか、シミュレーションを立てておくことが大切という。

 「個人事業主ビザを持っている人は〝雇用される〟という働き方ができないので、稼ぐ方法がかなり限られてきます。また、現地の日本食レストランなどの求人数には限りがあるほか、いいなと思う求人先があっても、個人事業主ビザだと採用されないことの方が多く…。そういう意味でもしっかり資金を貯めておくほか、自分で稼ぐ手段として、日本にいる間にモノの売り方やマーケティングなどを学び、身に付けておくことをおすすめします。移住直後の私のように日本からの仕事をリモートで請け負うのもいいですが、稼いでも円安のあおりを受けて円の価値は下がる一方なので、ユーロを稼げることも大事ですね」

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