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40歳を目前にオランダへ移住！長年の夢だった海外での生活をかなえるべくライフシフト

文●杉山幸恵

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ついにオランダへ！ 個人事業主ビザで働きながらも、新しいビジネスの形も構築中

　オランダへの移住を決め、「日本の常識がどんなふうにぶっ壊されていくのか、どんな新しい発見があるのか、想像もできない生活に期待と興奮でいっぱい」だったという七瀬さん。これから始まる新しい人生のすべてに期待していたが、もちろん不安なこともあったという。

　「オランダの住宅事情の厳しさどういうは有名で、現地の人でさえ引っ越しが簡単ではないと知りまして…。私は出国の数か月前から賃貸情報サイトを毎日のようにチェックして、偶然1か月前にシェアメイト募集の告知を発見して応募。無事、住民登録可能な家との仮契約ができました。もう一つは言語の壁です。子供のころから英語は好きでしたが、テストの点数がいい分、間違えるのが恥ずかしくてしゃべれない典型的な日本人で…。日本でも外国人との英会話はほとんどしたことがなく、イメージトレーニングのみだったので、どこまで通用するかかなり不安でした。実際、移住直後は、市役所への住民登録や商工会議所への事業登録で、質問されても緊張のあまり何も話せず、『Answer me！』と叱られたりも(笑)」

国内を流れるライン川の支流の一つ、ワール川。見渡す限りの平野は、低地の国・オランダらしい景色だ

　ほかの国同様、オランダでも個人として就労ビザを取得するのはハードルが高く、多くの外国人は個人事業主ビザで長期滞在する。個人事業主ビザの持ち主は雇用主と被雇用者ではなく、あくまで取引先として雇用契約を交わし、請求書を発行するほか確定申告も必要となる。矢島さんも個人事業主ビザで働いているわけだが、どのような仕事をしているのだろうか。

　「移住当初に請け負っていたリモートの仕事は1年半ほどで終了。現在は個人事業主として契約している物流会社で、ピッキングやラベルの翻訳作業をしたりしています。また、こちらで知り合った日本人エンジニアの方と共同で、マーケットプレイス型の新しいWebサイトの開発も。オランダ人やオランダ在住の人に向けた〝日本〟をテーマにしたサイトで、誰でも店のオーナーとなり、日本に関連するものを販売できるようになる予定です」

　さらにはオランダ在住の日本人向けの求人サイト「オランダJobNavi」も運営。〝オランダで仕事をしたい、稼ぎたい日本人〟にとって、役に立つ場を提供できるよう試行錯誤している最中だ。

　「もともと日本からのリモート仕事では求人サイトのコンテンツ制作を請け負っていたこともあり、『日本人向けの求人サイトがないから作ろう』と勢いだけで始めました(笑)。自営業に慣れている方はともかく、私のように会社員のような働き方しか経験のない人にとって、オランダで個人事業主として自分でお金を稼ぐというのは本当に難しく…。誰もが少しでもお金を稼げるような土台作りをしたいという思いがあり、この求人サイトもマーケットプレイス型サイトもその構想の一環です。『まずは人の役に立ってから。収益化はそれから』という考えですので、ビジネスとして成立させるのはまだこれから。今の課題はもっと求人掲載数を増やすこと。案内メールやポスティングなどを強化して、このサイト自体の認知拡大をしていかなければいけません。現在、ユーザーはオランダと日本から半々くらいなので、今後はユーザー層に合わせた広告を掲載したり、開発中のマーケットプレイス型姉妹サイトへの導線を作ったりして、しっかり収益化に結び付けていく予定です」

月数回、ビジネスパートナー宅で一緒に仕事も。普段はそれぞれ自宅で作業をし、オンラインツールで連絡を取り合う

　自分自身だけでなく、オランダで暮らす日本人のためにも何かできればと日々邁進する七瀬さんだが、プライベートにも大きな転機が訪れた。

　「こちらに来た2022年に知り合った4歳年下のオランダ人と、2024年7月に結婚しました。出会いのきっかけはマッチングサイトです。ヨーロッパではオンラインで知り合うのはよくあることのようで、夫も上司から勧められて始めてみたそうです。私は若くもなかったので特別な期待はせず、ただ何か新しいことに挑戦したいという思いから始めてみた結果、日本好きな今の夫と知り合いました。趣味や金銭感覚、笑いのツボもよく似ており、毎日が幸せです。義父母もとてもよくしてくださるので、感謝してもしきれません。今は夫と保護ネコと共に充実した日々を過ごしています」

水路と芝生に囲まれたアパートで2人＋1匹暮らし。隣人とは互いにペットの面倒を見合ったり、協力して芝生を刈ったりと良好な関係を築いている

近所の商店街にて。4月27日の国王誕生日では、国旗と共に国のシンボルカラーであるオレンジ色の旗が掲げられる

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