業務を変えるkintoneユーザー事例 第248回
kintoneと共に駆け抜けた3か月の成長記録
入社1年目の壁を乗り越えろ!新卒社員が踏み出したkintoneマスターへの道
2024年10月21日 09時00分更新
kintoneユーザーによる事例・ノウハウの共有イベント「kintone hive 2024 nagoya」が開催された。
本記事では、4番手を務めた富山県の山辺事務機、高井涼氏と竹内(たけのうち)まほ氏によるプレゼン「新卒社員が駆け抜けた3ヶ月 ~爆速でDX道をゆく~」をレポートする。披露されたのは、入社3か月の新卒社員がkintoneを通じていかに成長できたかという物語だ。
―― kintoneとの出会いは入社前から
高井氏は、2024年4月入社、営業部所属でIT経験はまったくない。竹内氏も4月入社の営業部の同期で、同じくIT経験はない。2人が入社したのは、富山県高岡市にオフィスを構える山辺事務機。創業は昭和47年で、複合機の販売・メンテナンスやソフトウェアの導入支援、家具販売やリフォームなどを手掛ける。
話は2人の入社前にさかのぼる。大学4年生の最後の春休みに、会長から「有給のインターンシップという形で、入社までにkintoneのアソシエイト認定資格を取ってみませんか」と提案される。ちなみに同社は、kintoneのオフィシャルパートナーでもある。
もちろん、2人ともkintoneのことを知らなかった。「内心なにそれ?」(竹内氏)と不安を抱いたものの、3週間後の試験に挑戦してみることに。勉強は大変だったが、「kintoneの画面を操作しながら覚えるのは思いのほか楽しかった」と高井氏。猛勉強の末、2人は一発合格をもぎ取った。
そして2人は2024年4月に入社。再度会長から声をかけられる。「君たち2人にはDX人材を目指して欲しい。kintoneをもっともっと活用しよう」という言葉だった。2人は資格取得で自信を得たこともあり、意気揚々と「かしこまりました」と言い放った。ここから本格的に、kintoneを通じたDX道を歩み始める。
まずは社内のkintone活用を知ることから、新卒のよくある悩みもkintoneで解決してみる
入社後の2人は、3つのステップで成長の階段を上る。
ファーストステップは、「kintoneのことを理解する」だ。まず先輩から6年前にkintoneを導入された時の話を聞いた。kintone導入前、複合機の検針業務や報告書作成に、大量の時間と紙を費やしていた山辺事務機。これらの業務をkintone化することで、月の平均残業時間を50時間、紙の年間使用量を約3万7500枚も削減したという。顧客台帳や業務日報、営業依頼など、6年間でさまざまなkintoneアプリも作られていた。
月に1回、アプリ作成や改善について取り組む、kintoneカフェという社内イベントも開催しており、2人もさっそく4月から参加した。
こうして、社内のkintone活用の理解を深めた2人。セカンドステップとして、自分達がまさに今抱える悩みをkintoneで解決しようと考えた。その悩みが“マルチタスクに慣れない”というものだ。仕事をいざ始めると、色々なタスクが平行して進んでいく。これを2つのkintoneアプリを作ることで解決した。
ひとつが「タスク管理」アプリで、今抱えているタスクを洗い出し、1タスクを1レコードとしてまとめたものだ。視覚的に優先度が分かり、業務効率化も図れる。レコードの詳細をみると、別アプリの業務メモに書いた情報も紐づいており、タスクのポイントも把握できる。
もうひとつが「新卒社員日報」アプリだ。「日報といえば、新卒社員あるあるだと思います。ただ作るだけでは面白くないなと、オリジナル要素として付け加えたのが『後輩への一言』という項目です。その名の通り、来年以降は加わる未来の後輩に言葉を残そうと考えました」と高井氏。後輩への一言に竹内氏は、先輩からもらったアドバイス、業務上のポイントを日々残しているという。今回参加したkintone hiveに関しては、「プレゼンはまず発表者が楽しむ」と付け加えたとのことだ。
この2つのアプリの作成によって、タスクの優先度や所要時間を確認でき、マルチタスクにも慣れることができた。そして日報を残すのが楽しくなり、後輩への一言で、“自分以外のためにもなる”とモチベーションも上げられた。しかし、2人の悩みは尽きなかった。
続いての悩みは、“先輩と上手く話せない”こと。「営業部の先輩は日中社内にいることが少なく、そもそも何を話せば良いか分からなかったのです」と竹内氏。
そこで作成したアプリが「Q&A」と「サンクスカード」のアプリ。Q&Aは業務上の疑問を、kintoneを通じて聞くアプリ。「直接聞く方が早いのではと思われるかもしれませんが、その場にいなくても質問でき、得られた知識を見直すこともできます。結果、対面での質問もしやすくなりました」(竹内氏)
Q&Aアプリで先輩に助けてもらうことが増え、感謝の気持ちを伝えたいという想いから作ったのが、サンクスカードのアプリ。最初、なかなか使われなかったが、2人が積極的に使用することで、社内に少しずつ広まっていく。今では、役職関係なく、多くの社員が同アプリで気持ちを伝えている。これらのアプリを通じて、コミュニケーションの壁は消え、2人はすっかり会社に馴染んだ。
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