TSMCの最先端プロセス技術「A16」が、量産開始前から大きな注目を集めている。台湾の経済紙、経済日報(Economic Daily News)は現地時間9月2日、アップルとOpenAIが初期顧客として浮上していると報じている。経済日報は台湾の半導体産業に精通した情報源からの情報を基にしており、業界内での信頼性が高いとされている。
OpenAIは自社のAI専用チップ(ASIC)開発に積極的に取り組んでおり、この動きがTSMCのA16プロセスへの需要につながっている。当初、OpenAIはTSMCと専用半導体工場の建設について協議していたが、効果を検討した結果、その計画は保留されたという。
代わりに、OpenAIは戦略的にBroadcomやMarvellなどの米国企業と協力してASICチップの開発を進めているそうだ。特にBroadcomとの関係が深まっており、OpenAIがBroadcomの上位4社の顧客になる可能性が高いとされている。
いまIT業界ではアップル、グーグル、アマゾン、メタなど大手がそれぞれ独自のチップを開発してAIサービスに活用する動きを見せている。「ChatGPT」を擁するOpenAIの自社ASIC開発への取り組みは、半導体業界全体ならびにIT業界に大きな影響を与える可能性がありそうだ。