AFMFの効果は絶大、「エーペックスレジェンズ」「VALORANT」がフルHDで快適にプレイ可能
では、Ryzen 8600Gのテスト結果を見ていこう。まずは定番のベンチマークツール「3DMark」(Version 2.29.8282)からだ。
Ryzen 5 8600Gは、フルHD(1920×1080ドット)解像度のDirectX 11系テスト「Fire Strike」では6000台半ばとまずまずの結果となった。一方、DirectX 12系テストであるWQHD(2560×1440ドット)解像度の「Time Spy」、WQHD解像度でレイトレーシング性能などを計測するDirectX 12 Ultimate系テスト「Speed Way」になるとスコアがかなり低下している。確かに統合グラフィック機能としては優秀なスコアなのだが、はたしてこれでゲームが快適にプレイできるのかどうか疑問に思う人もいるだろう。
そこで、実際にゲームによる計測として「エーペックスレジェンズ」を使って確認した。今回は、画面解像度をフルHDに固定し、描画負荷が最も低くなるよう各種オプションを設定したうえでゲームをプレイし、その間のフレームレートをAMD Softwareのロギング機能で測定した。もちろん、AFMFの有効/無効のそれぞれでテストしている。
その結果は、Ryzen 5 8600GはAFMF無効でも最小フレームレートが60fpsを上回っており、評価できる。AFMFを有効にすると平均フレームレートは163%、最小フレームレートは130%にそれぞれ上昇しており、ゲームの快適度はかなり向上しているといっていい。
続いて「VALORANT」のパフォーマンスも確認しておこう。ここでは、オプションから解像度をフルHDに調整し、描画負荷を最大にした最高設定と、最小にした最低設定のそれぞれでゲームをプレイ。その状態でAFMFを有効/無効のそれぞれについて、AMD Softwareのロギング機能でフレームレートを取得している。
その結果だが、Ryzen 5 8600GはAFMF無効時の最低設定で、常時140fps以上のパフォーマンスを発揮しており、プレイに支障はなさそうだ。また、最高設定にしても最小フレームレートは90fps台を維持しており、画質を高めても快適にプレイできるだろう。AFMFを有効にすると、最低設定では平均フレームレートはあまり変わらないものの、最小フレームレートは140%ほどの伸びを見せた。
画質を最高設定にした場合も平均フレームレートは大差ないものの、最小フレームレートは120%ほど上昇している。ゲームの快適性は、最小フレームレートで大きく変わってくるため、AFMFで快適性が向上したといえるだろう。
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」はAFMFの有効化で平均フレームレートが60fps超え
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(Ver.1.1)の結果も見てみたい。ここでは、プリセットを「標準品質(デスクトップPC)」に設定して、フルHDでベンチマークを実行したところ、Ryzen 5 8600Gの総合スコアはAFMF無効で6000台となった。スクウェア・エニックスが示す指標では「やや快適」にあたり、標準的な動作が見込めるといったものだ。
では、AFMFを有効にすると総合スコアはどうかというと、4960と低下してしまった。これは、AFMF有効時に、AMD Software以外ではフレームレートが正しく取得できないことに起因しており、それゆえ総合スコアも低下したものと思われる。そこで、AMD Softwareのロギング機能を使って、ベンチマーク実行中のフレームレートをAFMF有効/無効で取得してみたところ、最小フレームレートは変わらないものの、平均フレームレートは136%上昇し、60fpsを超えて見せた点は立派だ。
「リーグ・オブ・レジェンド」はAFMF有効化で平均フレームレート7%向上、最小フレームレートは10%上昇
最後に「リーグ・オブ・レジェンド」(以下、LoL)のパフォーマンスだが、ここではオプションから描画負荷が最大となるように設定し、フルHD解像度でゲームをプレイ。その間のフレームレート(AFMFの無効時/有効時)についてAMD Softwareのロギング機能を使って測定した。
まずAFMF無効時では、LoL自体がそれほど描画負荷が高くないこともあり、最小フレームレートが160fps以上とRyzen 5 8600Gの高い性能が分かる結果となった。AFMFを有効にすると、平均フレームレートは7%伸び、最小フレームレートは10%も上昇しており、ゲームの快適性が確実に向上した。