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米ドローン「目視外飛行」解禁で、空から配達が現実に?

2024年08月23日 12時11分更新

文● James O'Donnell

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Bruce Bennett/Getty

画像クレジット:Bruce Bennett/Getty

米国でドローンの「目視外飛行」をするには、その都度、米国連邦航空局の許可を得る必要があった。だが同局が9月に告示予定の規則案では、その規制が緩和され、警察署から配送業者に至るまで大きな影響が及ぶ可能性がある。

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

ドローンのニュースをよく見ている人なら(そうでないとしても特に問題はないが)、ここ数カ月間、米国連邦航空局 (Federal Aviation Administration:FAA)の動きが活発になっていることに気づいたかもしれない。共有空域や人口密集地でドローンを飛ばす自由を求める熱心なドローン支持者たちにとって、FAAは何十年もの間、目の上のコブのような存在だった。FAAの規則により、ドローンによる荷物の配達のような未来的なアイデアを大規模に実現するのは困難だったからだ。

しかし最近、その状況が変わりつつある。FAAは最近、アマゾンの「プライム・エア(Prime Air)」プログラムに対し、テキサス州の一部でパイロットが目視外飛行(目視可能な範囲を超えてドローンを飛行させること)をする許可を与えた。FAAはまた、米国内の何百もの警察署にも同様の規制免除を与え、警察は何キロも離れた場所からドローンを飛ばせるようになり、プライバシー擁護派の怒りを買うこととなった。

FAAがより多くの規制免除を与えていることは注目すべき動きだが、今後1カ月もしないうちにはるかに大きな変化が訪れそうだ。それは、近年で最も重要なドローンに関する決定となり、米国で日常的に上空を飛び交うドローンの数を決定するものになると予想されている。

FAAは(期限を守るとすれば)9月16日までに、ドローンの目視外飛行が認められるかどうかについて、規則制定案告示を出さなければならない。警察や配達業者などに対してその都度規制免除を発行する代わりに、該当空域を利用するすべての人に適用され、ドローン同士が衝突したり、ドローンが落下して下の人や物を傷つけたりする安全上のリスクを最小限に抑えることを目的とした規則を提案することになる。

FAAは当初、規則を2018年に策定するよう指示されたが、まだ実現できていない。9月16日という期限は、5月に制定された最新のFAA再授権法によって設けられた。FAAは規則案を発表してから16カ月以内に最終規則を発表する必要がある。

誰がこのような重要な規則を作成することになるのだろうか。規則制定委員会は87の団体で構成されている。その半数は、アマゾンやフェデックス(FeDex)のような商業目的でドローンを利用する企業、スカイディオ(Skydio)のようなドローンメーカー、あるいはエアバス(Airbus)やT-モバイル(T-Mobile)のようなその他の技術的利害関係者である。また、米国自由人権協会(ACLU:American Civil Liberties Union)のようなプライバシー保護団体や学術研究者も含まれる。

FAAの規則案が具体的にどのようなものになるのかは不明だ。しかし、ドローン分野の専門家によれば、FAAはドローンに対してかなり寛容になってきており、今回の規則制定もそうした変化を反映したものになるだろうとのことだ。

もしこの規則によって目視外飛行が容易になれば、ほとんどすべてのタイプのドローン・パイロットが、制限の緩和による恩恵を受けることになる。捜索救助パイロットのような団体は、緊急事態にすばやく取得することが困難なFAAの規制免除がなくても、荒野で行方不明者を見つけるためにドローンを利用しやすくなるはずだ。

しかし、パイロットの姿がどこにも見当たらない状態で空を飛ぶドローンが増えれば、それは大きな影響をもたらすことになる。「(提案された規則は)おそらく、幅広いドローン操縦者に、目視範囲を超えたさまざまなドローン飛行を許可することになるでしょう」と、米国自由人権協会の言論・プライバシー・テクノロジー・プロジェクトで上席政策アナリストを務めるジェイ・スタンリーは話す。「アマゾンやUPSから、ブリトー(メキシコ料理の一種)をドローンで宅配するローカルな『ブリトーコプター』といった配達業者に至るまでの多数の配達ドローン、地方自治体の調査や規範強化のための飛行、これまでになかったさまざまな警察の監視活動などのために空が開放される可能性があります」。

ドローン分野の今後の展望については、こちらをお読みいただきたい。


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