IoTを利用した見守りサービスを
関西エリアでオプテージが提供開始
オプテージは8月1日、関西エリア(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県 ※対象エリアでも一部対象外あり)で、見守りサービス「MAMOLEO(マモレオ)」の提供を開始しました。IoT技術を活用し、留守番する子どもを見守るほか、警備員による駆けつけサービスも利用できるのが大きな売りとなっています。
MAMOLEOには、カメラやセンサーによる見守り、プロの警備員による駆けつけに加え、勤務先にいる親が自宅で留守番をする子どもに声掛けができ、GPSで子どもの居場所を把握できる機能があります。
MAMOLEOのベーシックプランは初期費用が3300円で、月額利用料が2200円。室内用のカメラ、ドアの開閉センサー、アプリ、防犯シール、年1回・最大30分無料の駆けつけサービス(30分超過後および2回目以降は5500円)、オペレーターによる無料サポートが含まれます。
見守るだけじゃない! MAMOLEOの6つの特徴
具体的な特徴は大きく6つあります。
1つ目はIoT機器で見守る機能。動体や音声をセンサーで検知し、部屋の異変を確認でき、カメラを介して通話できます。
2つ目は駆けつけ。有事に依頼すれば警備員が家や指定場所まで駆けつけます。追加費用として月額1100円を負担し、オプションのGPSタグを利用すれば、屋外で子どもの身に危険が及んだ場合にも駆けつけてもらえます。
3つ目は家だけでなく地域の異変を確認できる機能。アプリから地域の防犯情報を確認できます。
4つ目は機器を自由に取り外せること。子どもの成長や利用シーンに応じて、GPSやスマートリモコンなどの機器を自由に取り付けたり外したりできます。手数料はかかりません。
5つ目はサポート。IoT機器といえば聞こえはいいですが、初心者にとっては機器の導入からトラブルシューティングまで、1人でこなすのは困難です。そんな人でも電話やチャットで専門担当者に相談できます。
6つ目は最低利用期間がないこと。契約期間の縛りや解約時の違約金もないため、これも導入しやすい一因となりそうです。
なぜ今、MAMOLEOが必要なのか?
留守番する子どもの見守りの重要性
提供元のオプテージは関西電力グループの中核会社として、固定回線(FTTH)サービスの「eo光」や、MVNOサービスの「mineo」などを展開している企業です。そんなオプテージがMAMOLEOを提供する理由は何でしょうか。1日の会見で語られたことをもとに、MAMOLEOの必要性について読み解きます。
子どもを見守るサービスで代表的なのはGPSタグです。親がスマートフォンでGPSの位置情報を把握し、子どもがどこにいるのかが分かります。ところが、これは外出時に有効な手段であり、家の中にいる子どもの見守りにはなりません。
「令和5年版 厚生労働白書」によると、共働き世帯が過去最高の1262万世帯を更新する中、アフターコロナの出社回帰も進むなど、外に働きに出る人が増えています。
また、2015年の児童福祉法改正以降、小学校4年生までだった「学童保育」が6年生まで受け入れ可能となる自治体が増えたものの、現在でも実質的に3年生が最終年となっていることも少なくありません。このような環境により、共働きで子育てをする家庭にとって、子どもの留守番が増えつつあるのです。
こうした現状を踏まえ、誕生したのがMAMOLEOです。繰り返しにはなりますが、外へ出かけた子どもだけでなく、家にいる子どもも見守れ、駆けつけサービスも用意されているのが重要なポイント。つまり、単なる位置情報把握サービスではない、ということです。
一方、子どもにとっては親に監視されている、という心理となりそうですが、子どもの発達科学研究所の所長・主席研究員を務める和久田 学氏は「IoTがこれだけ発達しても、子どもの成長は変わらないので、大人が子どもに分かりやすく説明し、ポジティブに使ってほしい」と呼びかけました。
オプテージとしても、MAMOLEOを通じて「親と子ども双方の不安な気持ちを軽減し、子どもの健やかな成長や家族のコミュニケーションの活性化に貢献したい」としています。
今後、対象エリアを全国に
導入のきっかけ作りも必要
MAMOLEOは開始当初は関西エリア(一部地域除く)が提供エリアとなっていますが、オプテージ コンシューマ事業推進本部 ホームセキュリティ事業戦略部長の木津彰彦氏は「全国展開を目指している」としたうえで、「eoやmineoに次ぐ新たな柱となるサービスになるよう成長させたい」と意気込みます。
なお、MAMOLEOは2023年4月に実施したオプテージと関電セキュリティ・オブ・ソサイエティ(関電SOS)の合併以来、初の共同事業でもあります。独自の光ファイバーネットワークによる高速・高品質な情報通信サービスを提供するオプテージと、警備員の駆けつけネットワークを関西エリアに有する関電SOS、双方の強み・技術力を活かして開発した、IoTみまもりサービスです。
オプテージの名部正彦社長は「IoT事業を行ない、かつ社内に警備部隊を抱えている会社はなかなかない」と同社の強みを述べ、「これまでの電気通信事業に加え、IoTを使った新たなサービスをさらに増やしたい」と今後の方向性を明かしました。
この手のサービスは一見すると、複雑だと捉えられてしまいそうですが、サービスのページでは特徴が分かりやすく記載されています。公式サイトでは、子どもをどのようにして見守るのかや、空き巣の傾向などが記載されているので、導入前に読んでみるとよさそうです。
報道を見たからといって突発的に動くのではなく、必要かどうかを十分に見極めてみましょう。親が子どもに黙ってカメラやセンサーなどを付けると、子どもに不安感、不信感を抱かせてしまいかねません。MAMOLEOを検討している親御さんには、子どもとのコミュニケーションを十分に取りながら、どのようなセンサーやサービスが今の環境に適しているのか、家族で相談しましょう。