パナソニックグループで法人向けソリューションを扱うパナソニック コネクトは7月17日、画像認識分野で世界最高峰とされる学会CVPR2024のコンペティション「Ego4D EgoSchema Challenge」で世界第2位の評価を獲得したと発表。コンペティションでは、3分間の動画を見て、人物の行動や意図を5つの選択肢から選ぶというAIの技術が競われた。
同社は視覚情報と言語情報を同時に扱えるAIマルチエージェントシステムを新開発し、コンペに挑んだ。質問に応じて適切な専門家AIを動的に生成し、監督役のAIが意見をまとめて回答を選択する仕組み。これにより、人間の正解率76%に迫る71%の正解率を達成した。
AIマルチエージェントシステムの特徴は、長時間の動画内容を理解し、過去からの経緯を踏まえて人の行動や意図を推測できる点。単に物体や人を認識するだけでなく、なぜその行動をしているのか、何をしようとしているのかを把握することが可能になる。
パナソニック コネクトはAIマルチエージェントシステムの技術を製造、物流、流通などのサプライチェーン領域に活用することを視野に入れている。たとえば工場での非効率な作業を把握し、製造工程の改善につなげるなど、パナソニックが進める「現場のイノベーション」を促進することに期待している。