このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

全国452万社、100項目以上の属性情報を持つ企業DBを活用した「日本企業の縮図レポート」発表

「同じビルに●●●のある会社は消滅リスクが高い」!? ユーソナーが分析

2024年07月18日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 大規模な企業情報データベース(DB)を活用したマーケティングサービスを提供するユーソナーが、2024年7月17日、「日本企業企業の縮図レポート」を発表した。今後も年に1、2回のペースでプレス発表していく予定。

 今回発表したレポートでは、ユーソナーが構築/保有する国内企業DB「LBC」から抽出した452万社のデータに基づき、「健康経営優良法人」「女性社長」といった特徴を持つ企業割合の高い都道府県ランキング、倒産/解散のリスクを数値化した「企業消滅スコア」の高い/低い企業の特徴をまとめている。

今回のレポートでは「企業消滅スコア」(現在開発中)の高い/低い企業に見られる特徴を分析している

ユーソナー 代表取締役社長の長竹克仁氏、同社 サポート本部 MXグループ マネージャーの桧山直樹氏

国内法人の820万拠点を網羅する大規模企業データベース「LBC」

 ユーソナーのLBC(Linkage Business Codeの略)は、国内法人の820万拠点を網羅する、国内最大規模の企業DBである。同社ではこのDBを活用して、BtoB営業/マーケティング向けの顧客データ統合ソリューション「uSonar(ユーソナー)」、顧客データ管理システム「プランソナー」、名刺管理アプリ「mソナー」といったサービスを展開している。

同社の旗艦サービス「uSonar」の概要。顧客企業がCRMやSFAなどのシステムとAPI連携させて、顧客データのクレンジングや安全性確認(反社チェック)などに利用する

 LBCには、法人登記や上場企業の開示情報といった公的なデータから、企業自身やその他のサービスでWeb公開されているデータまで、幅広いソースから集約した企業情報が蓄積されている。企業1社あたりの情報項目数は120以上に及ぶという。

 ユーソナー代表取締役社長の長竹克仁氏は、他社にないLBCの特徴は「本社だけでなく事業所や地方拠点、店舗などの情報まで持っていること」、さらに「現在だけでなく、過去の変遷についての履歴情報も持っていること」だと説明する。こうした高精度なDBを活用することで、通常は難しい「BtoB領域での1to1マーケティング」も支援できると述べる。

LBCは、多様なソースから企業に関する膨大なデータを蓄積している国内最大級の企業DB

820万件(拠点)という規模だけでなく、1社あたり120項目以上のデータを持ち、更新作業も継続的に行って精度を高めている点も特徴

 さらにユーソナーでは、収集/蓄積した企業情報から独自の“ストーリー”情報も分析/付与し、企業情報を活用する顧客がターゲット企業をより立体的に理解できるようにしている。

 この“ストーリー”とは、たとえば「新卒採用人数が○人~○人の企業」「子育て支援に積極的な企業」「平均有休取得日数が○日以上の企業」「同じビルの複数フロアを借りている企業」といった具合に、各企業の特徴的な傾向を示す情報であり、現在2000種類ほど用意されているという。

「健康経営」「女性社長」の企業割合が多い都道府県は? ランキング

 今回、ユーソナーは2種類のレポートを発表しているが、いずれも上述したLBCが持つ多角的な企業データを活用した全量統計を行っている。(※以下に掲載のレポートは、すべて出典:ユーソナー「日本企業の縮図レポート」

今回のレポート作成においては、LBCの登録データのうち設立登記法人452万社を対象とした

 1つ目のレポートは、あるストーリー(特徴)を持つ企業の割合を、本社所在地を基準に都道府県別でランク付けしたものだ。

 具体的には、「健康経営優良法人が多い都道府県」「特許を1~5個もつ企業が多い都道府県」「家族経営とみられる企業が多い都道府県」「12月決算の企業が多い都道府県」「社長が女性とみられる企業が多い都道府県」という5つのランキングを発表している。

 「調査対象とした全国452万法人のうち、100万法人は東京都にある。そのため単純に『企業数』で比較すると、1位が東京都ばかりになってしまう。そこで『(ストーリーに該当する)企業の割合』でランキングした」(ユーソナー サポート本部 MXグループ マネージャーの桧山直樹氏)

 たとえば、経済産業省による「健康経営優良法人」認定を受けた企業の都道府県ランキングを見ると、トップ5は「山形県」「島根県」「愛知県」「岡山県」「長野県」。東京都は44位だった。経産省が公開している都道府県別データと照合してもこの順位は一致しており、「(同調査の)確からしさが証明されたと言える」(桧山氏)。

「健康経営優良法人が多い都道府県」ランキングの結果

 一定の地域性が感じられるランキングもある。たとえば「家族経営とみられる企業」ランキングでは、東北や北陸の都道府県がトップ5を占めた。また「社長が女性とみられる企業」ランキングでは、大都市圏を抱える都道府県のほか、全体として関西以西の割合が高い傾向が見られる。

「家族経営とみられる企業」ランキング(家族経営(同族経営)の判定は役員の同姓割合を基準に行っている)

「社長が女性とみられる企業」ランキング(社長の氏名を基準に性別を判定している)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ