50年後のあり方を見据えて挑戦する神社
亀有香取神社を訪れたのは平日14時過ぎ。地元の方だと思われる人や、境内にあるキャラクター銅像を見ている「こち亀」ファンらしき方の姿がありました。
創建は1276年。「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」「岐大神(くなどのおおかみ)」の3柱を祀っています。経津主大神と武甕槌大神は武の神様で、「何事にも打ち勝つ」というところから「除災招福開運厄除」「スポーツ」にご利益があるといわれています。
こちらの神社は境内がとても広く、なんだか大きな広場のような公園のような、そんな印象を受けます。
宮司の唐松範夫さんは、「境内を広場のようにしているのは、神社を“いろいろなことを楽しむ場”にしたいからですね」と話してくれました。
「このあたりは近くにショッピングモールのアリオ亀有もあってにぎやかなんです。でも50年後を見据えたときに“これからの神社”の形を探す必要があるなと思って、老若男女がコミュニケーションをとれる場にしたいと考えたんです。そこで境内を整備して、フリーマーケットやマルシェ、ダンスや空手の演武など地域の人の発表の場になるような、大きな広場を作りました。コミュニティの場になることが、地域を構築することにもつながるのではと思っています」(唐松さん)
実は境内にはスイーツ店「ラ・ローズ・ジャポネ」があります。これも唐松さんのアイディア。
「スイーツ目的で来ていただくのも大歓迎です。神社の敷地の中でケーキを食べることで、訪れた方々に神社の存在が自然に受け入れられる。将来的にそれが“街の神社”としてのあり方につながるんじゃないかと思っています」(唐松さん)
「スイーツ目的でもOK」という唐松さんのスタンスがとてもユニーク。気負わずに境内の中に入ることができますし、スイーツだけ食べて帰っても良い。食べた後にちょっと参拝するのもあり。日常でもあり、非日常でもあり、幅広い過ごし方に応えてくれる場、という感じがします。
実はこの唐松さんの取り組みは、「境内を社務所、カフェ等が広場を取り囲む配置に変更し、人々の日常に寄り添う都市空間として再整備した」ということで2020年にグッドデザイン賞を受賞しています。
境内には道祖神も鎮座。地域の守り神として大切にされるうち、「わらじ」がお供えされるようになったことから「足腰にご利益がある」といわれています。マラソンやサッカーの選手、東京マラソンの時期になるとランナーが多く参拝に訪れるそう。ほかの神社ではあまり聞かない独特の参拝客層!
もちろん「こち亀」にちなんだものも見ることができます。すべてをじっくり見たら、参拝とスイーツ合わせて2時間くらいは満喫できるのでは。
すっかり話し込んでしまったところで、いよいよ御朱印をいただきます。通常の御朱印と、可愛い七夕限定の御朱印もいただくことにしました。これでオリンピックでの日本代表の活躍は間違いないはずです。
これだけ「亀」に触れていたら愛着がわいたので「開運福亀守り」もいただきました。巾着が亀の甲羅みたいなデザイン!
亀有香取神社
住所:東京都葛飾区亀有3-42-24
公式サイト:https://www.kameari-katori.or.jp/
今回の歩数は4,860歩
結構歩いた気がしていたのですが、5,000歩にも届かず…。綾瀬駅から亀有手前までは住宅街なので車も少なく、安心して歩くことができました。亀有が近付いてくると車は増えるものの、歩道もしっかりしているので歩きやすくなっています。ほかの「こち亀」像も見てみたいので、今度は亀有駅の北側を攻める感じで歩くのも楽しそうです。さて、次はどこのエリアを歩こうかな。