たった4ヵ月で被害額410億円超
警察庁は6月、いわゆる「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」の認知・検挙状況などについて発表しました。
それによると、令和6年(2024年)1月から4月にかけて警察庁が認知しているSNS型投資詐欺は2508件で、被害額は約334億3000万円。同様にSNS型ロマンス詐欺は832件、被害額は約84億1000万円に上りました。わずか4ヵ月で計410億円以上騙し取られている計算になります。
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SNS型投資詐欺
SNSなどを通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、投資金名目やその利益の出金手数料名目などで金銭などを騙し取る詐欺
SNS型ロマンス詐欺
SNSなどを通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭などをだまし取る詐欺
冒頭のグラフを見ると、SNS型投資詐欺は1年間で認知件数が約8倍、被害額では約10倍にまで伸長しており、短期間で急増したことがわかります。なお検挙件数はSNS型投資詐欺が9件/7人、SNS型ロマンス詐欺は4件/5人とのこと。
SNS型投資詐欺は、有名人の成りすまし広告の氾濫から問題が広く知られるようになりましたが、やはり被害者の過半数がバナー広告などをきっかけに巻き込まれていることがわかっています。
また、どちらの詐欺も高齢者が被害に遭うケースが多いようで、直近令和6年4月におけるSNS型投資詐欺のデータ(認知件数808件/被害額約115.1億円)を見る限り、被害者の年齢層は男女問わず50代以上が70%を超えています。
これはSNS型ロマンス詐欺でもほぼ変わらず、男性で70%弱、女性でもおよそ45%の被害者が50代以上でした。
危ないのは「有名人成りすましバナー広告」だけじゃない
SNS型投資詐欺は前年同期比でおよそ6.6倍にまで膨れ上がっています。2020年にフィッシング詐欺の増加が話題になった際も前年比は4倍程度に留まっていたことを考えると、これは激増と言って良いでしょう。
春先あたりと比べると、たしかに成りすまし広告はSNSのタイムラインから減少しているように見えるものの、次の手口としてダイレクトメッセージやグループ招待、オープンチャットを被害者との接触手段として狙う動きが見えますので(実際、グラフでは3割近くを占めています)、引き続き注意が必要です。
特に高齢者の被害が多い詐欺ですので、まずは父母・祖父母など家族への啓蒙が地道ながら詐欺対策の確実な一歩になるでしょう。