
東京大学の研究チームは、人の皮膚細胞から作製した「培養皮膚」を利用し、細胞由来の生きた皮膚を持つ顔型のロボットを開発した。同ロボットの作製技術は、生体機能を有する人型ロボット(ヒューマノイド)開発への活用のほか、しわの形成メカニズムの理解など美容・整形医療分野での応用も期待されるという。
東京大学の研究チームは、人の皮膚細胞から作製した「培養皮膚」を利用し、細胞由来の生きた皮膚を持つ顔型のロボットを開発した。同ロボットの作製技術は、生体機能を有する人型ロボット(ヒューマノイド)開発への活用のほか、しわの形成メカニズムの理解など美容・整形医療分野での応用も期待されるという。 研究チームは今回、人体において「皮膚支帯」と呼ばれるコラーゲンを主成分とする網目状の繊維構造が皮下組織に存在し、皮膚組織の皮下組織への固定において重要な役割を果たしていることに着目。皮膚支帯から着想を得て、人工物をV字に貫通する穴の内部で皮膚組織をゲル化させ固定する「穴型アンカー構造」を考案し、これを用いて生きた培養皮膚に覆われた顔型の構造体を作製した。 さらに、アンカー構造による皮膚組織への動力伝達のデモンストレーションとして、モーターの動力が穴型アンカーを介して皮膚に伝達されることで笑うことができる顔型ロボットを開発した。 研究論文は、セル・レポーツ・フィジカル・サイエンス(Cell reports physical science)に2024年6月25日付けで掲載された。(中條)
