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AIは漫画家の玉手箱なのか……実録:AIで描く漫画の実際 第3回

実録:AIで描く漫画の実際 ~生成AIで少女漫画に挑戦!

2024年06月29日 19時00分更新

文● 野火城 編集●ASCII

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今回の全12Pの製作時間

 モデルやLoRAの選定・数値調整、コントロールネットやcopainterやAI-Assistantを試すなど、またもAI技術部分でかなり試行錯誤したため、そこそこ時間がかかっています。ネームを含めない、AIでの原稿製作時間だけでおよそ4日ほどです。

 特にコントロールネットを多用したカラーに時間がかかっており、AI機能の試行錯誤も含め、3P作るのに2日かかりました。その後白黒(内1Pはカラー1枚絵)はスピード上げて9Pを2日弱で仕上げました。前回もそうでしたが、大体1日3Pくらいかかってますね。

 手法を試行錯誤しながら拘って作ると、その辺りが限界なのかもしれません。

前回から認識がバージョンアップした事

・SDXLのコントロールネットは使える
 特に1P目のこのポーズなどは、プロンプトで指定するのは結構難しいです。これは自分で下絵を描いて、それをコントロールネットに入れて生成しました。

 プロンプトにするとしたら「尻もちをついた後ろ姿、振り返りながら空を見上げる、俯瞰図」といったところですが、英訳して入れてもおそらく通りません。GPTを介したDALLE3でもこれです。

 試しにGPT4oに先ほどの絵を入れてプロンプトを作ってもらいましたが、それでもこの有様です。

 いやーコントロールネットがあって良かった。特に今回はAIで作る事を意識せずにネームを描いてしまったため、AIが苦手なポーズが多く、コントロールネットが大活躍でした。正直手で描いた方が速いな…と何度も思いました。

 AIで時短をするならAIの描けるものに内容を合わせた方が速い、という状態はまだしばらくは続きそうです。

次回予告

 次は進化したSDXLコントロールネットを使って「白黒漫画を1枚丸々そのままカラー化できるか」をやってみたいですね。あとはアクションシーンの生成も挑戦したいです。AIの進化は早いので、来月になったら違う技術が出ていて、そちらを試している可能性もあります。AI黎明期故のライブ感も楽しんでいただければ幸いです。

 次回もお楽しみに!!

野火城

 アナログ時代から漫画を描いてきたクリエイター。漫画の補助としてAIをどう使えるか実験中。X(Twitter)で生成AIを使用した漫画「AIずきん」を公開し、3万件を超える「いいね」が集まる。

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