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東工大など、高い柔軟性の天然変性タンパク質の構造決定に成功

2024年06月24日 06時50分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京工業大学と理化学研究所の共同研究チームは、決まった立体構造を持たず、従来法では構造決定が困難なタンパク質である「天然変性タンパク質(IDP)」の構造を決定することに成功した。

東京工業大学と理化学研究所の共同研究チームは、決まった立体構造を持たず、従来法では構造決定が困難なタンパク質である「天然変性タンパク質(IDP)」の構造を決定することに成功した。 IDPは外部環境に応答して動的に構造が変化するタンパク質であり、がんなどのさまざまな疾患において重要な役割を果たしている。IDPの構造を理解すれば、多くの疾患を克服する創薬開発への道が開ける可能性があるが、高い柔軟性を有するIDPは一般的な手法による構造決定がいまだに困難であり、その解決策が求められていた。 研究チームは今回、「無細胞タンパク質結晶化(CFPC)法」を用いて、細胞内で自発的に結晶化する安定な足場タンパク質である「多角体」に、IDPを固定化。多角体の最も適切な領域にIDPで重要とされる配列を融合して「組木細工」のように結晶化する技術を開発し、従来の10万分の1のスケールと10分の1の時間で構造を決定できるようにした。 今回の成果は、「これまで決定できなかったタンパク質構造を基にした薬剤デザイン」や「ハイスループット性を活用したビッグデータ構築による創薬基盤」への貢献が期待されるという。研究論文は、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of National Academy of Sciences of United States of America)のオンライン版で2024年6月11日に公開された

(中條)

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