シャオミのサブブランド「POCO」が、23日にアラブ首長国連邦のドバイで新製品発表会を開催した。発表されたモデルはハイエンドモデルの「POCO F6」と「POCO F6 Pro」、そして「POCO Pad」の3機種だ。このうちPOCO F6以外の2製品は、ドバイでの発表会直後に日本で発売された。
6年目を迎えたPOCOから
価格を抑えたハイスペックモデルが登場
シャオミのスマートフォンはグローバルでは「Xiaom」と「Redmi」の2つに加え、「POCO」と合わせた3つのブランドが展開されている。POCOは2024年で6年目を迎え、グローバルでの販売台数も6千万台を超えるなどシャオミのサブブランドとして、着々とユーザー層を広げている。
POCOにはハイエンドキラーでもあるハイスペック・低価格を売りにした「Fシリーズ」、テック世代向けのミドルレンジ「Xシリーズ」、トレンドユーザー向けのエントリー「Mシリーズ」の3つのラインナップが展開されているが、今回発表されたPOCO F6とPOCO F6 ProはクアルコムのSnapdragon 8系を搭載したハイエンドモデルだ。
Fシリーズはほぼ毎年1モデルずつリリースしており、POCOの顔としてパフォーマンスを誇るモデルを展開してきた。しかし、パフォーマンスの高いハイエンドモデルは当然他社も出している。POCOは価格セグメントでも業界に衝撃を与えるとして、他社であれば準・準・ハイエンドモデルである300~600ドルの価格でハイエンドモデルを提供。さらに他社のミドルレンジモデルの価格でメインモデルとして使える優れた性能の製品を出している。
5万円台のハイパフォーマンスモデル「POCO F6」
スマートフォン2製品のうち、POCO F6は「SHAPED BY SPEED」をキャッチコピーに、Snapdragon 8s Gen 3を搭載、ディスプレーは6.67型で輝度は2400nit、最大120Hz駆動となる。バッテリーは5000mAhで90Wの急速充電に対応。メインカメラは5000万画素で800万画素の超広角カメラも搭載する。
価格はメモリー構成が8GB+256GBが379ドル(約6万円)、12GB+512GBが429ドル(約6万7000円)。なお、早期予約価格はそれぞれ339ドル(約5万3000円)、379ドル(約6万円)となる。
カメラは広角がソニーIMX882、超広角が同じくIMX355を搭載、この価格のモデルとしては高性能なセンサーを搭載しており、高コントラストなシーンでも美しい撮影ができるという。また、POCO F6はAI機能も強化されており、フロントカメラを使ったハンドジェスチャーコントロール「POCO AI Gestures」や、本体を置いたときに自動ロック、画面を見ている状態でスクリーンオフにせず回転を止めるという「AON」といった機能も搭載されている。
そしてゲーミング用途に重要な冷却機構はLiquidCool Technology 4.0を搭載、本体内部に多数の温度センサーを搭載しており、効率的な放熱を可能にしている。そして、PUBGのゲームプレイで120Hzのリフレッシュレートを実現しており、高度なゲームも快適な操作が可能だ。
日本で発売の「POCO F6 Pro」はカメラも高性能
POCO F6 Proは日本投入も決定したモデル。チップセットはSnapdragon 8 Gen 2、ディスプレーは6.67型で4000nitと輝度はかなり高い。カメラは5000万画素+1200万画素の超広角+800万画素マクロ。ストレージ1TBのモデルも提供されるなど、他社のフラッグシップに並ぶ高性能なモデルだ。
価格は12GB+256GBが499ドル(約7万8000円)、12GB+512GBが549ドル(約8万6000円)、16GB+1TBが629ドル(約9万9000円)。こちらも早期予約価格はそれぞれ449ドル(約7万1000円)、499ドル(約7万8000円)、579ドル(約9万1000円)となる。
POCO F6 Proはプレミアムデザインも特徴で、美しい紋様の入ったボディーはケースなしで運用して見せびらかしたくなるような外観をしている。ボディーカラーはブラックとホワイトの2色展開だ。カメラはソニーの新しいLight Fusion 800を採用、1.55型f/1.6、OIS搭載と十分な性能を持つ。暗所の撮影を強化したUltra Night Algorithmや、Burst Shot Mode 2.0により1フレーム50ショットの撮影が可能など、カメラ性能も十分高い。
そしてAI機能として新たにAI Portraitを搭載。生成AIで背景を作成したポートレート写真を作成する際、アルバム内のポートレート写真の顔写真からシーンに最適なものを選び生成してくれる。もちろん不要なオブジェクトを削除するAI Magic Erace Proや、枠外を自動生成するAI Expansion、そしてアルバムから「コンサート」などで検索すると該当する写真を選んでくれるAI Album Searchなどを搭載。さらに動画への自動字幕作成や音声のリアルタイム翻訳と要約など、AI機能は他社のフラッグシップモデルに匹敵する性能を誇る。
バッテリーは5000mAhで120Wの急速充電に対応し、満充電に要する時間は19分だ。また、バッテリー残量が1%でも通話30分、待受2時間を可能にするHibernation modeも搭載しており、緊急時の仕様にも対応している。
POCOブランド初のタブレット「POCO Pad」
POCO Padの主なスペックはディスプレーが12.1型でアスペクト比は16:10、10000mAhの内蔵バッテリーは33Wの急速充電に対応する。チップセットはSnapdragon 7s Gen 2。
価格は329ドル(約5万2000円)だが早期割引価格は299ドル(約4万7000円)。別売オプションはカバーが19ドル(約3000円)、キーボードカバーが79ドル(約1万2000円)、スタイラス「POCO Smart Pen」が59ドル(約9000円)となる。
本体は7.52mmと比較的薄型で、重量は571g。この薄さのボディーにクワッドスピーカーも内蔵している。HyperOSの機能としてシャオミのスマートフォンの画面をPOCO Pad内に表示できるHome screen+に対応。スマートフォンのカメラをPOCO Padから直接起動して、撮影した写真をPOCO Pad内でメモなどに張り付けたり、文字のコピー&ペーストをスマートフォンとタブレット間でシームレスに利用もできる。なお、カメラは800万画素。