大手通販サイト「ZOZOTOWN」を創業者で、実業家の前澤友作氏は5月15日、詐欺広告への対応をめぐり、SNS大手メタと、日本で同社の宣伝を担当するFacebook Japanを提訴したと自身のXアカウントで明らかにした。
1円の損害賠償請求で違法性などを確認
Meta社及びFacebook… pic.twitter.com/J1N9xYftqY
— 前澤友作 (@yousuck2020) May 15, 2024
本訴訟はメタが運営するSNSサービス(Facebook/Instagram)において、前澤氏の写真を無許可で使用した詐欺広告が掲載されている状況を受けたもの。主な目的は詐欺広告に対するメタとFacebook Japanの対応について、違法性の有無を明らかにすることだ。
損害賠償請求額は1円。一見すると不自然な金額に思えるが、今回のように何らかの確認を求めるタイプの訴訟では、1円など極端に少ない金額を損害賠償請求額とすることは珍しくない。
なお、今回の訴訟では前澤氏がメタとFacebook Japanに対し、詐欺広告対策の具体的内容の提示と責任者の証人尋問も求めている。仮に裁判所が同氏の求めに応じた場合、メタは自社の詐欺広告対策について、これまでよりさらに詳細な情報を開示することになる。
5月15日17時現在、メタおよびFacebook Japanは本訴訟に関する公式な発表はしていない。
国会でも問題視される詐欺広告
メタに限らず、ネット上では著名人の写真を無断利用した詐欺(なりすまし)広告が表示されることがあり、メディアや国会でも問題視されている。
こうした状況を受け、メタは4月16日、日本向けに「著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて」と題するリリースを公開。日本語や日本文化を理解できる人員を配置するなど、広告の審査体制の強化を進めていることをアピールする一方、世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴うと述べ、対応に限界があることを認めていた。