最新版Adobe Fireflyを実装した
Adobe Photoshopがアップデート
アドビは4月23日、英国で開催した年次イベント「Adobe MAX London 2024」で、生成AI「Adobe Firefly」の最新バージョン「Adobe Firefly Image 3 Foundation Model」を発表した。すでに「Adobe Photoshop」のパブリックベータ版とAdobe Fireflyのウェブサービスに、ベータ版として実装され順次公開している。
Adobe Fireflyは2023年3月に発表され、9月から製品版として提供されているアドビの生成AIサービスだ。学習データに同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」のほか、オープンライセンスデータ、著作権が失効しているパブリックドメインコンテンツを用いており、生成された画像を安心して商業利用できるとしている。
アドビによれば発表から1年強で、世界で70億枚以上の画像がFireflyを通じて生成されているとのこと。Fireflyはアドビの各製品にも次々と機能として実装されていて、Adobe PhotoshopにもFireflyを用いて、選択した領域を生成画像で塗りつぶしできる「生成塗りつぶし」や、生成画像で背景を拡張できる「生成拡張」といった機能が搭載されている。生成AI機能に対するユーザーからの反応も好評で、Photoshopの契約者数も前年比30%増と伸びているという。
テキストから新規画像を作る「画像を生成」機能を初実装
Adobe Firefly Image 3 Foundation Modelが実装された、最新の「Adobe Photoshop(ベータ版)」では新たに、何もないところからプロンプト(テキスト)を入力して画像を生成できる「画像を生成」機能を初実装。また生成された画像に対して「参照画像」で画像を指定して目指すイメージを指示したり、狙いどおりのイメージに近づけたり、気に入ったバリエーションから派生バージョンを生成できる「類似を生成」といった機能が追加されている。
「画像を生成」では、プロンプト入力の参考になるサンプルなども表示可能。コンテンツタイプ(「アート」or「写真」)も指定できる。「スタイル」の「参照画像」で画像を指定して目指すイメージを指示したり、生成画像の追加する「効果」も指定できる。
従来のバージョンのFireflyでは、パースのついた画像や、遠近感のある画像の一部を生成画像で塗りつぶししたり拡張する際の精度が今ひとつだったが、新バージョンではより自然な背景の生成が可能。また、ワンクリックでディテールを向上できる。
Photoshopでは生成AI機能のほかにも、「調整ブラシ」や「調整プリセット」、「Adobe Fonts」からアクティベートの手間なくフォントが試せる新しい「フォントブラウザ」など、ユーザーの声をもとにした、多くの機能がアップデートされている。
調整ブラシは、従来のように選択範囲を指定しなくても、ブラシで塗った場所の調整ができるというもの。生成AIのアップデートと同様に、まずはパブリックベータ版のPhotoshopで提供される。一方のフォントブラウザは、製品版のPhotoshopに新機能として実装済み。製品版にはこのほか、レビュー用に「Freme.io」に共有できる機能も追加されている。新しい生成AI機能とあわせてチェックしたい。