SNS大手メタは4月18日、次世代の大規模言語モデル(LLM)「Llama 3」を発表した。米国やオーストラリアなどの一部地域ではAIアシスタント「Meta AI」として、FacebookやInstagram上でも利用できる。
高性能かつオープンソースの大規模言語モデル
Llama 3は同社が開発に関わるオープンソースのLLM。パラメーター数は8B(8億)と70B(70億)の2種類があり、これまでよりも誤って回答を拒否するケースが大幅に減少したほか、応答の多様性も増加。推論、コード生成、命令への追従性などの性能が大幅に向上しているという。
ベンチマーテストの結果でも、Anthropicの「Claude 3 Sonnet」や、グーグルの「Gemini Pro 1.5」といった競合のLLMより高い数値を記録。8B、70BクラスのLLMとしては現行トップクラスの性能になっている。
Llama 3のトレーニングには、公開データから収集したという15兆以上のトークンを使用。安全性や悪用防止にも配慮しているといい、「Llama Guard 2」、「Code Shield」、「CyberSec Eval 2」など、複数のセキュリティー機能を搭載している。
同社ではLlama 3の改良を続けており、今後数ヵ月かけて、マルチモーダルや複数言語での会話、長文入力などへの対応を予定。さらにパラメーター数が400B(400億)を超えるモデルのトレーニングも進めているという。
AIアシスタント「Meta AI」として、メタの各サービスで利用可能
Llama 3は外部のアプリやサービス経由でも使えるが、一般のユーザーにとってもっとも手軽なのは、メタのAIアシスタントサービス「Meta AI」を利用する方法だ。
Meta AIは専用サイトから使えるブラウザー版のほか、同社が提供するFacebook、Instagramなどのアプリにも実装済み。メッセージの文面作成からオススメのコンサートの提案、テスト勉強の手伝いまで、幅広い作業をAIに依頼できる。米国ではブラウザー版と「WhatsApp」アプリ限定で、テキストから画像を生成する機能のベータ版も利用可能だ。
4月18日現在、Meta AIは英語のみの対応で、提供地域は米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど14ヵ国。日本からのアクセスはできない。