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世界最高光子密度のX線自由電子レーザーを実現=阪大など

2024年03月25日 17時04分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学、名古屋大学、理化学研究所の共同研究チームは、独自のX線ミラーを作製することで、X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)の極限的7ナノメートル(nm)のスポット集光を実現。これまでのX線強度よりも100倍以上高い1022ワット/平方センチメートル(W/cm2)のピーク強度を達成した。これはミラーに入射するXFELの強度を1億倍に増幅したことに相当する世界最高クラスのX線強度であり、可視光分野も含んだレーザー強度のトップクラスに比肩する値であるという。

大阪大学、名古屋大学、理化学研究所の共同研究チームは、独自のX線ミラーを作製することで、X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)の極限的7ナノメートル(nm)のスポット集光を実現。これまでのX線強度よりも100倍以上高い1022ワット/平方センチメートル(W/cm2)のピーク強度を達成した。これはミラーに入射するXFELの強度を1億倍に増幅したことに相当する世界最高クラスのX線強度であり、可視光分野も含んだレーザー強度のトップクラスに比肩する値であるという。 研究チームは、今までのXFELを10nm以下のサイズに集光する際の不安定性が、楕円ミラーのみからなる光学配置が生む収差に由来していることに着目。鉛直・水平の両方向において凹面と凸面組み合わせのX線ミラーペアで構成する新規X線集光光学系を開発し、高い安定性のもとXFELの7nm集光を実現した。さらに、生成した集光ビームを金属原子(クロム:Cr)に照射したところ、全ての電子を吹き飛ばすほどの劇的な反応が生じていることがわかった。 今回の研究によって実現した超高強度のXFELビームを用いることで宇宙物理、高エネルギー物理や量子光学などの基礎物理分野において、未だ観察されていないさまざまな物理現象の発見が期待される。研究論文は、英国科学誌ネイチャー・フォトニクス(Nature Photonics)に、2024年3月15日付けで公開された

(中條)

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