Anthropicはは3月13日(現地時間)、同社が開発する大規模言語モデル「Claude 3」の「最速かつ安価」なモデルである「Claude 3 Haiku」をリリースしたと発表。APIおよび「claude.ai」の有料版サブスクライバーに向けて提供される。
1米ドルで2500枚の画像を処理・分析可能
大規模なデータセットを迅速に分析し、カスタマー サポートなどのタスクでタイムリーな出力を生成する必要がある企業ユーザーにとってAIの反応速度は重要だ。
「Claude 3 Haiku(以下Haiku)」は、3万2000トークン(文章を分割する最小単位)未満のプロンプトに対して1秒あたり2万1000トークン(英文でおよそ30ページ)を処理可能。同等のモデルのおよそ3倍の速度を実現している。(ただし、3万2000トークンを超えるプロンプトでは取り込み速度が30〜60%遅くなる可能性があるが、すぐに改善する予定)
Haiku(API経由)の利用価格は入力が100万トークンあたり0.25米ドル(およそ37円)、出力が1.25米ドル(およそ187円)と、他のモデルと比べて非常に安価。
わずか1米ドルで400件の最高裁判例(1件あたり1万トークンと推定)や2500枚の画像(1枚あたり1.6Kトークンと推定)を処理・分析できる計算だ。
エンタープライズレベルの安全対策
速度と価格だけではない。各種ベンチマークによる性能テストにおいてもHaikuは、OpenAIの「GPT-3.5」、グーグルの「Gemini1.0 Pro」といったモデルを凌駕する成績を収めている。
さらに、厳格なテストを通してエンタープライズグレードのセキュリティと堅牢性も重視。他にも継続的なシステム監視、エンドポイントの強化、セキュアなコーディング手法、強力なデータ暗号化プロトコル、厳格なアクセス制御による機密データの保護など様々なセキュリティー対策が取られている。
現在HaikuはAPI、claude.ai上のClaude Proサブスクリプション、「Amazon Bedrock」で利用可能。まもなく「Google Cloud Vertex AI」でも提供開始予定。