ASCII Power Review 第242回
15万円台で買えるCore Ultraマシンですね
Core Ultra搭載で11型大画面のポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」実機レビュー
2024年03月11日 10時00分更新
老眼に優しいポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」が登場した。コントローラーが取り外し可能で、ディスプレーサイズは11型と大型だ。
そのうえ最新インテルCore Ultraプロセッサーを搭載しつつ、カバーキーボードも用意されており、ゲーム機、ノートPC、そしてタブレット端末として利用できる。
さらにポータブルeGPUを装着すれば、AAAタイトルも快適に動作できる3Dグラフィックス性能を発揮可能なのだ。試用機をテックワンから借用したので、使い勝手と、気になるパフォーマンスについてじっくりとチェックしていこう。
ミニ・ポータブルノートながら
Core Ultra 7に64GB/4TBのお大尽仕様もラインナップ
「ONEXPLAYER X1」は、OSに「Windows 11 Home」、CPUに「Core Ultra 5 プロセッサー 125H」(14コア[4P+8E+2LPE]、18スレッド、4.5GHz、28W)と「Core Ultra 7 プロセッサー 155H」(16コア[6P+8E+2LPE]、22スレッド、4.8GHz、28W)を採用する。
メインメモリーは16GB/32GB/64GB(LPDDR5X-7467)、ストレージは1TB/2TB/4TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。日本国内販売元のテックワンとハイビームでは下記の4モデルをラインナップしている。
○インテル Core Ultra 5 125H/16GB/1TB
15万1200円
○インテル Core Ultra 7 155H/32GB/1TB
18万7200円
○インテル Core Ultra 7 155H/32GB/2TB
19万6200円
○インテル Core Ultra 7 155H/64GB/4TB
24万1200円
これは、本体の値段で、キーボードとコントローラー、ケース、液晶保護フィルムのセットが9680円、ONEXGPUが10万1700円となっている。
ディスプレーは、10.95インチWQXGA LTPS液晶で2560×1600ドット、16対10比率、輝度470~630ニト、リフレッシュレート120Hz、色域は100%DCI-P3 と138%sRGBだ。10点マルチタッチ対応でスタイラスペンは準備中である。
サウンド機能としてはハーマン社認証のステレオスピーカー(8Ω/1W)を両サイドに1基ずつ内蔵。また「フロントAIカメラ」と謳うウェブカメラとマイク×2を装備している。
インターフェースは、USB4×2、USB 3.2 Type-A、OCuLink、microSDカードスロット、オーディオコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2をサポートしている。
本体サイズは約252×163×13mm、重量は約789g(本体のみ)。65.02Wh(16890mAh)のバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はゲームプレイ時で約2時間、オフィス業務で約8時間、オフラインビデオ再生で約11時間と謳われている。
注意点としては従来モデルとは異なり「Surfaceペン」を使用できないこと。「4096筆圧スタイラスペン」が今後別途販売される予定なので、お絵描きなどにも利用したい場合には続報をこまめにチェックしておこう。
ポータブルゲーミングPCとして
最大クラスの11型ディスプレーが大きな魅力
本製品最大の特徴はやはりなんと言ってもポータブルゲーミングPCとしては最大クラスのディスプレーだ。他製品と比較すると「ONEXPLAYER X1」の10.95インチが飛び抜けて大きいことがわかる。比較的近いのは10.1インチの「GPD WIN Max 2 2023」だ。
「Nintendo Switch 有機ELモデル」=7インチ
「Steam Deck OLED」=7.4インチ
「PlayStation Portal リモートプレーヤー」=8インチ
「Lenovo Legion Go」=8.8インチ
「GPD WIN Max 2 2023」=10.1インチ
英字配列カバーキーボードのキーピッチは実測18mm、キーストロークは実測1.7mm前後。キーストロークが深いのでカバーキーボードにしては打鍵感が良好である。
ただし、実測92×44mmのタッチパッドの操作感は非常に惜しい。クリックが固めで個人的にはストレスを感じた。ダイビングボード構造のタッチパッドではあるが、クリックするのではなくタップ操作をお勧めする。
本製品には純正アクセサリーとして、「ONEXGPU ポータブルeGPU 国内正規版」が用意されている。このデバイスには、「AMD Radeon RX 7600M XT」が内蔵されており、「ONEXPLAYER X1」に接続すれば3Dグラフィックス性能を引き上げられる。
また、OCuLink、USB4、HDMI×2、DisplayPort×2、USB 3.2 Type-A×2、有線LAN、M.2 PCIe Gen3端子が用意されており、ケーブル1本で接続するだけで最大4台のマルチディスプレー環境を構築できる。ゲーム用途はもちろんのこと、デスクトップPC的に利用するハブとしても魅力的な周辺機器なのだ。どのぐらいゲーム性能が向上するかについては、ベンチマークの章で確認してほしい。
「ONEXPLAYER X1」に搭載されている10.95インチWQXGA LTPS液晶は、色域が100%DCI-P3、138%sRGBと謳われている。
実際にカラーキャリブレーション機器で実測したところ、sRGBカバー率は100%、sRGB比は138%、AdobeRGBカバー率は87%、AdobeRGB比は102%、DCI-P3カバー率は98%、DCI-P3比は102%という値が出た。
リフレッシュレートが120Hzのゲーミング仕様ながら、DCI-P3の色空間の動画を調整、編集できるだけの品質を備えている。
Core Ultra 5のCPU性能はRyzen 7 7840Uの79%
3Dグラフィックス性能は113~134%を発揮
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