クリエイティブメディアは2月27日、USB接続で使用できる2.1chスピーカー「Pebble X Plus」とサブウーファーが付属しない「Pebble X」を発売した。価格はオープンプライス。直販価格はそれぞれ2万799円/1万4800円。なお、3月15日までの限定で、USB充電器「Creative GaN Charger」(67W、通常7980円)を同梱したセットを、同価格で販売する。
Creative Pebble X Plus 67W PD アダプターセットは通常2万4800円、Creative Pebble X 67W PD アダプターセットは通常1万8800円で販売するので4000円ほど安価だ。
基本仕様
Pebble X Plusには新開発のサブウーファーが付属する。3.5インチのドライバーを前面、左右にパッシブラジエーターをデュアル搭載している。メインとなるサテライトスピーカーにはカスタムチューンを施した2.75インチ(約7cm)のドライバーを搭載。右側の筐体に入出力端子や基板を内蔵。スイッチとつまみで入力ソースやライティングの切り替え、音量調節といった操作ができる。
ノートパソコンなどと組み合わせる際には、USBバスパワー駆動も可能だが、USB Power Delivery対応の充電器と組み合わせることでピーク時60Wの高出力が得られる(15WのUSB Type-Cバスパワーでは30W)。エンクロージャーの左右が光る、LEDライティングにも対応する。
フルレンジのサテライトスピーカーは球形で、45度上方に傾けた独特なスタイル。なお、Pebble Xはサブウーファーが付属しないぶん、サテライトスピーカー側にパッシブラジエーターを装備している。
ともにUSB DAC機能を搭載しており、PCに専用アプリをインストールすることでライティングなどをカスタマイズできる。3.5mmのアナログ入力、Bluetooth 5.3入力も可能。また、USBスピーカーとして使用している際にマイクをつなげる。3.5mmのヘッドホン出力はCTIA仕様のヘッドセットの接続も可能だ。
サテライトスピーカーのサイズは幅139.2×奥行き136.5×高さ131.8mmで重量は約575g。サブウーファーのサイズは幅156.4×奥行き156×高さ158.5mmで重量は約1.7kg。なお、Pebble Xのサテライトスピーカーはパッシブラジエーターを持つため、Pebble X Plusよりも若干重い約600gとなる。
使ってみた
発売に先行して編集部で実機を軽く試すことができた。ただし、リリース前の先行体験のため、専用ソフトなどを詳しく試すことはできていない。本機の特徴であるLEDライティングの設定は専用ソフトを通じてできるようだ。
デスクトップ向けの2.1chスピーカーはニアフィールド再生を楽しむ定番の構成だが、定位感の良さと音の力強さを両立できる点にある。サブウーファーは机の下に置くことを想定して大型の場合も多いが、本機はコンパクトなサイズのため、工夫すれば机の上に置くこともできる。入力端子は背面にある。正面にドライバー、左右にパッシブラジエーターを備えており、壁近くに寄せられる。電源ケーブルはなく、サテライトスピーカーから出ているサブウーファー出力用のケーブルに接続して使用する。
球形のサテライトスピーカーは、写真で見るよりもかなり大きい。片手で持ちあげるのはなかなか難しい程度のサイズ感だが、そのぶんしっかりとした音が出る。設置にはそこそこのスペースが必要だが、リスナーに向けて45度の角度が付いているため、近い距離で聴いても音に違和感が出にくい。奥行きのない机に置く場合などにも便利だろう。試しに机の手前から30cm程度の位置で聴いてみたが、広がりのある音で楽しめた。ディスプレーの下に設置する方法のほか、ノートパソコンのディスプレー脇に置いて使う用途でもいいだろう。
サテライトスピーカーは右側にアンプや入力端子が収められており、左側スピーカーとサブウーファーにつなぐためのケーブルが伸びている。左右スピーカーのケーブルは長さ1.2mで直結されており外せない。サブウーファー用のケーブルは1.8mだ。USB端子は2系統あり、片方がUSB充電器をつなぐための端子、片方がPCなどと接続するための端子となっている。USBバスパワーでも使用できるが、別途電源を取ったほうが余裕のある再生ができる。外部機器との接続は、Bluetoothまたはアナログ入力も可能だ。
接続して電源を入れると、声のアナウンスが出るが、その声が真ん前から聞こえてくるのが印象的だ。ニアフィールドリスニングならではの定位感の良さを感じ取れる。これは音楽再生などでも同様で、バックバンドの上にボーカルが空間にすっと浮き立つ感じが楽しめた。サテライトスピーカーの振動板はハードドーム型で、中央がへこんだ形状。高域の抜け感がよく、金属音などもなかなか鋭く出る。解像感の高さも感じさせる音だ。
音はサブウーファー付きのPebble X PlusとPebble Xの両方を聞くことができたが、それぞれの魅力があるように思う。
Pebble X Plusはサブウーファーがあるぶん、より深い低域の再現が可能ではあるが、Pebble Xもパッシブラジエーターを装備しており、シンプルなボーカル曲などを聴く範囲では低域の不足感を感じさせない。低域がかぶってボーカルが不明瞭になるといった悪影響が出にくいぶん、むしろ聴きやすく感じる場合もあるほどだ。もちろん、オーケストラ演奏などワイドレンジのソースでは、腰の据わった低域の再生が肝となるので、サブウーファーがある効果は大きい。また、映画やゲームなどでより迫力のある音を楽しみたいのであれば、サブウーファー付きのPebble X Plusを選ぶべきだろう。
とはいえ、同じユニットを使っていることもあり、Pebble X PlusとPebble Xで音の傾向は非常に近い。定位感の良さや使い勝手など、核となる部分は共通なので、予算や使う環境に合わせて選ぶといいだろう。
旧モデルから音質の定評のある機種だったが、その魅力はそのまま。ハイレゾ対応やBluetoothの高音質コーデックなどへの対応はないが手軽に使えるUSBスピーカーだ。対応フォーマットなどでハイスペックを求めればきりがないが、導入がしやすくすぐにい音が得られるので、自宅のパソコン環境の音を気軽にグレードアップしたいというユーザーにはメリットがあるだろう。
定位感の高さは、音がどの位置にあるのかが分かりやすいということである。音楽では空間をよりリアルに感じられ、映画では効果音の位置や音の動きなどが明確になることでシーンの理解を助け、没入感が上がる。ゲームでは効果音の動きによってプレイのクオリティーに差が出る場合もあるだろう。