「Microsoft AI Tour」で登壇、デジタル庁や地方自治体、金融機関などでの実証採用事例も紹介
エンタープライズ向けマルチLLM基盤「GaiXer」とは? FIXER松岡社長が語る
2024年02月27日 08時00分更新
政府/自治体や金融機関などで多数の採用、ユニークな活用法も
登場からまだ1年も経っていないが、GaiXerはすでに多くの採用事例(実証導入を含む)を公開している。セッションではその一部が紹介されたが、金融、パブリックセクター(政府/自治体)、ヘルスケアといった、取り扱う情報の機密性が高い業種での採用が目立つ。
三重県の四日市市では、市職員から選抜されたおよそ200名の「DX推進リーダー」に対してGaiXerの利用研修を行ったうえで、どんな業務に活用できそうかというアイディアを募った。その際、参加者はまずGaiXerに「GaiXerで何をしたらいいのか教えて」と問いかけ、GaiXerが提示した20個ほどのアイディアから、実現可能そうなものをピックアップしていったという。その結果、たとえば市役所が発行する書類等の「やさしい日本語」への翻訳、消防署が消防訓練の際に行う「講話」のネタ出しといった、現場業務に即したユニークなアイディアも生まれた。
そのほか、GaiXerでExcelの関数/VBA改修(コーディング)を行った三重県庁の事例、がん患者の診療情報をまとめる文章作成業務の負荷軽減にとりくむ千葉県がんセンターの事例(共同研究)などが紹介された。
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セッションのまとめとして、生成AIのビジネス活用が今後どう進展していくと見ているかを問われた松岡氏は「市民開発者(Citizen Developer)」というキーワードを挙げた。
「マイクロソフトさんはこれまで、Power Platformの提供などを通じて『ソフトウェアは専門エンジニアでなくても作れる』『皆さんの業務改革は皆さん自身でできる』、そういう市民開発者を育てる活動をされてきた。これはすでに成果を上げているが、生成AIによって、ここがより加速していくのではないかと期待している」(松岡氏)