春一番よりヒヤッとした体験教えて!
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第34回。
今回は「テンプレのようなロマンス詐欺まがいにヒヤリ」をお届けします。
母に届いたロマンス詐欺? にヒヤリどころか衝撃を感じた件
ある日、母から「なんか可哀そうな子がいるらしいの。あなた、手助けしてあげられない?」と言われて話を聞くと、知らない人からSMSが届いたとのこと。
文面は学生っぽい設定で「親の病気の治療費として●●さん(知らない人)から借りた20万円を今月末までに用意できず申し訳ございません。学校とバイトが両立できず困っています」という、ロマンス詐欺とパパ活のメッセージを足して2で割ったようなもの。
自分の親がこんな典型的な迷惑SMSに引っ掛かる人だったことにヒヤリどころではない衝撃を受けつつ、「これは詐欺なので同じようなものが届いても絶対に返信してはいけない」と強く釘を刺しました。先が思いやられます。
今回のヒヤリ案件は、お母さまに届いたメッセージがありがちな内容で、割とわかりやすい詐欺メッセージだったのにもかかわらず、無警戒に信じてしまった姿を目の当たりにして衝撃……というお話です。
投稿者さんはある程度こういう詐欺メールに対する知見があり、おそらく『自分なら冒頭を読んだだけでゴミ箱行きなのに』と思ったのでしょう。
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迷惑メールは毎日どころか、毎時毎分レベルで送られてきます。マカフィーの調査によれば、日本人は毎日平均5.7件の詐欺メールを受け取っていて、その対処に毎週40分もの時間を費やしているそうです。
詐欺師たちは、送ったメールのほんの数%、いえ0.01%でも引っかかれば儲けものと考えているため、とにかく同じ内容のメールを大量のユーザーに向けて送りつけます。
また、騙される人が多かった、いわば「成功」した詐欺メールがあると、それに似た傾向のメールを何度も送ります。さらに、詐欺師たちはユーザー傾向によって食いつきやすい特定の内容を強調した詐欺メールを送ることもあるのです。
たとえば「投資やギャンブルで絶対に成功する手法を教えます」「受け取っていない還付金があります」「クレジットカードが不正利用されました。いますぐ対応を」「荷物をお届けしましたが不在なので持ち帰ります、こちらに連絡を」「プレゼントに当選です」といった、ユーザーによっては『ホントかも』と思ってしまう内容を送ることで、詐欺の成功率を上げようとしてくるのです。
そして「感情」を揺さぶる詐欺メールも増えています。今回の投稿者さんのお母さまのように、心優しい人の情に訴えかけたり、ロマンス詐欺的な内容で恋心をくすぐったりする詐欺メールが多数存在するのです。
ただ、詐欺メールが「多数存在する」とはいえ、そのパターンはほとんど決まり切っていて、ある種のテンプレに沿っていると言っても過言ではありません。だからこそ、慣れている人なら「はいはい詐欺ですね」とすぐに判断できるのです。しかし投稿者さんのお母さまのように慣れていない場合は、その内容を信じてしまう可能性があるのです。
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