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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第30回

Snapdragon SoundやAuracastにも初対応! 立体サウンドスピーカー「Pave」を聴いた

2024年02月17日 12時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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LE Audioの新機能、Auracastを活用すると複数台のPaveによるマルチ再生環境が構築できます

Auracastによるマルチスピーカー再生も体験

 シーイヤーの独自機能には複数台のPaveをつないで、同期しながらひとつの音源をマルチスピーカーで再生する「CearLINK」もあります。

 CearLINKの場合、Bluetooth LE AudioのAuracastブロードキャストオーディオの機能を使って複数のPaveに同一の音源を送り出します。同時に、複数スピーカーによる音の広がりや音場をシーイヤーが、開発した独自のアルゴリズムを使って最適化します。

 Auracastブロードキャストオーディオの仕様上、接続できるスピーカーの台数は無制限ですが、スマホやPCなどオーディオを送り出すデバイスもまた、LE AudioのAuracastに対応する必要があります。

 Auracastに対応するスマホは、Android OS側もまだ非常に希有です。iPhoneなどアップルデバイスはウワサも聞こえてきません。そこで有力になる「Auracast対応」の解決策が、外付けUSBオーディオトランスミッターを活用する方法です。

 今回はシーイヤーのオフィスで、同社が開発用として使っているサードパーティー製のAuracast対応USBオーディオトランスミッターを使った、Paveによるマルチ再生を試聴しました。1台で臨場感あふれるPaveの立体サウンドが、複数台のスピーカーに囲まれている環境で聞くとものすごく鮮やかな没入感体験に進化します。

USB接続のBluetoothオーディオトランスミッター。Auracastに対応する製品も今年以降に増えそうです

 Paveは本体に内蔵するバッテリーで8.5時間以上の連続リスニングと、本体の防水スペックもIPX6〜IPX7のグレードに対応を予定しています。屋外イベントなどにも活用できるシーンが広がりそうです。

 何より、Paveにはシーイヤーが得意とするソフトウェア開発のノウハウを活かして「アップデートを続けながら進化するスピーカー」という魅力があります。同社ではPaveの出荷後も、ユーザーから寄せられるアイデアにも耳を傾けながら様々な機能を追加することを検討しているそうです。Snapdragon SoundやAuracastブロードキャストオーディオにいち早く対応したことだけでなく、色んな視点から注目に値するポータブルスピーカーが誕生しました。

 
ブランド Cear
製品名 Pave 2nd Generation
価格 3万9800円 ※グリーンファンディングで2月29日まで支援募集中
アンプ 15W×2
Bluetooth aptX Adaptive/aptX Lossless/aptX/LC3/AAC/SBC
有線入力 USB-C、ステレオミニ
バッテリー 連続再生8.5時間を想定
外形寸法 幅93×高さ93×奥行き93mm
質量 590g未満
 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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