「CES 2024」 レポート 第33回
リマスタリングをかけたような、質感とコントラストの両立を見た
REGZA、新たなAI高画質化技術をCES 2024で披露
2024年01月12日 20時00分更新
AIを用いて映像を細かく識別、再現性をアップ
TVS REGZAが、米国ラスベガスで開催中のCES 2024に出展。2022年に発表した高画質画像処理エンジン「REGZA Engine ZRα」のほか、現在開発中の「Advanced AI Picture Optimizer」やサウンドエンジンを参考展示した。
技術の詳細は説明会の解説記事にも載せているので、あわせて参照してほしい。
会場で最も印象深く画質のよさを体感できたのが「Advanced AI Picture Optimizer」による高画質化。例えば、「格闘技」や「花火」といった特徴的なシーンが出てきた場合にAIが検出し、それぞれに適した処理をかけるという機能だ。どのような操作で適用するのかは現時点では決まっていないが、オンにしておくことで、自動でシーンを検出し、シーンが切り替わるとリアルタイムにフィルターを適用していくような仕様を見込んでいるという。
会場ではボクシングの試合の映像が流れていた。格闘技のシーンでは、白飛びを抑え、肌や筋肉の質感を再現し、コントラスト比を整えるといった処理が実行されるが、非処理の映像は、会場上部の強い光によって全体的に白飛びしている印象で、人物の肌の質感も飛び気味だったのに対し、Advanced AI Picture Optimizerを適用した映像では、人の肌のリアルな色や感触がうまく再現できており、会場全体の照明も、明る過ぎない照度に落ち着いた印象に。大袈裟でなく、リマスタリングしたかと思うほどに映像の様子が変化する。
取締役副社長の石橋泰博氏は「元々、REGZAの技術に興味を持ってくれている方が多いこともありますが、全体的に好評で、いい反応をいただいていると思っています」と話した。
「REGZAというブランド名や、REGZA Engine ZRαという技術名を、こうした会場で積極的にアピールしているのは、海外と日本のブランドイメージを共通化していきたいという意思表示。REGZAの音、映像、チップの良さを知ってもらい、これから2〜3年でシェアを取り戻していきたい」(グローバルオペレーション部門 ブランドマネージャー 西岡竜太氏)
「国内のマーケットはシュリンク傾向にあるが、縮小していくときには、シェアを上げていけるチャンスも生まれる。国内とは反対に、特に東南アジアをはじめとした海外では、ここからが拡げていく時期。発展の年にしたい」(取締役副社長 石橋泰博氏)
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