内視鏡AIを開発するAIメディカルサービスは、2023年12月26日、早期胃がんに特化したAIによる内視鏡画像診断支援ソフトウェア「gastroAI-model G」において、同日付で厚生労働大臣よる製造販売承認を取得したことを発表した。同ソフトウェアにより、発見が難しい早期胃がん疑いの病変の検出を支援する。なお「検出支援用途」での承認取得であり、本ソフトウェアは、2024年3月ごろの提供開始を予定している。
日本における胃がん罹患者数は、毎年13万人以上で大腸がん・肺がんに続いて3位、死亡者数は、毎年4万人以上で肺がん・大腸がんに続いて3位だという。胃がんは、病期が進行すると死亡率が高いものの早期に発見すれば治療可能な疾患である一方で、早期胃がんの判別は難しいという現状があった。
gastroAI-model Gは、内視鏡システムの内視鏡ビデオ画像プロセッサから病変候補画像を基に、肉眼的特徴から追加検査を検討すべき病変候補である可能性を推定。病変候補と推定した際には、内視鏡表示エリア内で矩形表示により医師に注意喚起及び診断補助を行う。オリンパス、富士フイルムの内視鏡システムに接続して利用できるという。
同ソフトウェアは、100以上の共同研究機関のサポートの下、医療機関から提供された教師データをもとに、ディープラーニング技術を活用して開発された。AIメディカルサービスは、胃がん診断支援AIにより早期胃がんの見逃し低減と、内視鏡検査の品質の均てん化(地域格差の解消)を進め、今後、胃がん診断支援AIをはじめとする内視鏡AIを、日本だけでなく、世界の臨床現場に届けていくという。