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“片側空け”を抑止するエスカレーター、万博「夢洲駅」に採用

2023年12月25日 16時45分更新

文● ASCII

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「夢洲駅」向けに開発した新機能を搭載したエスカレーター(イメージ)

 日立製作所と日立ビルシステムは12月25日、2024年度に開業予定の北港テクノポート線の夢洲(ゆめしま)駅向けに、「エスカレーターの片側空け」を抑止する新機能を搭載したエスカレーター「S1000VX-EN」を発表した。

 Osaka Metro中央線を延伸する形で整備が進められている北港テクノポート線の新駅である夢洲駅は、2025年に開催される大阪・関西万博会場の最寄り駅であり、万博開催期間中は1日およそ12.6万人の利用が見込まれている。2分半間隔で電車が到着し、多くの来場者がホーム中央の3台並列の上りエスカレーターを利用することが想定されることから、ホーム内の人の滞留を抑止し、スムーズかつ安全にエスカレーターを利用できる仕組みが必要となっている。

 エスカレーターは、安全上の理由からステップ(踏み段)上で停止して利用することを前提とした装置だが、慣習としてステップの片側を歩行用に空ける片側空けが一般化している。そこで日立は、安全利用の実現と輸送効率の向上に向けて、エスカレーター上での歩行につながる片側空けを抑止する新機能を搭載したエスカレーターを開発した。

 今回開発したエスカレーターは、乗り込み口LED誘導照明、ライザーLED照明、スカートガードLED照明の3点を新たに搭載し、さらに、従来から有償オプションとして提供しているカバープレート埋め込みLED誘導表示器と、乗り降り位置を知らせるコムシグナルを組み合わせることで、二列利用への誘導と安全面の注意喚起を行い、片側空けでの利用と歩行を抑止する。

 上りエスカレーターの乗り込み口付近の水平状態のステップの踏み面に、二列で乗り込む際の立ち位置を示すLEDを照射することで、立ち位置を明示し、二列での利用を誘導する。

 また、ステップが上りエスカレーター乗り込み口付近の水平状態から階段状になっていく位置で、ステップのライザー(蹴上げ)にLEDを照射。段差を強調することで、歩かずに立ち止まって利用することを促す。エスカレーターの両脇のスカートガードには、LED照明を設置し、ステップの移動スピードに合わせて照明を光らせることで、歩かずに立ち止まって利用することを促す。

 さらに、エスカレーターのカバープレート(床面)に、エスカレーターの乗り込み方向を示す矢印をLEDで表示。乗降口のカバープレートのステップとの境界部分(コム)にLEDを埋め込み、乗り降り位置を知らせる。

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