テックワンが6月に公開していたOne-Netbook社の10型ミニノートPC「OneMix5」が日本でも発売された。
OneMix5日本版は2モデルで、キーボードは日本語配列のみ。価格はi7-1250U/32GB/1TBモデルが19万8800円、SSDが2TBのモデルは20万8000円で12月20日出荷だ。
また、2023年12月15日から2024年1月9日まで、発売記念キャンペーンとしてOne-Netbook日本公式ストアで10%オフなので、17万8200円と18万7200円だ。またレビューを投稿したユーザーには、4096段階筆圧検知のスタイラスペンをプレゼントする。
CPUなどは、先代の「OneMix4S」と同じだが、本体デザインが変わり、ディスプレー部が360度回転から、フリップ型2in1になり、革張りボディになっている。テックワンから試用機を借用したので、レポートしよう。
CPUは第12世代Coreだが、本革ボディで携帯性は向上
先々代の「OneMix4」は第11世代Core搭載で、2021年2月に、先代の「OneMix4S」は昨年12月に第12世代Core搭載で発売された。
今回の「MoneMix5」は4Sと同様の第12世代のCore i7-1250Uを搭載する。10コア12スレッドでTDPが9~29W、最高4.7GHzでグラフィックスはインテルXeを内蔵する。
メインメモリーもLPDDR5-5200MHzと変わらず16/32GB内蔵。ストレージはPCIe4.0x4に上がり1/2TB搭載だ。
外装は牛本革となり、ディスプレーの上下中央で180度回転するスタイルになった。下部を引き出してキーボードとタッチパッドの間に立てると「ステージモード」となり、より近い位置で会議や描画、動画鑑賞ができる。
さらに引き出すとペタンとしたタブレット状態になる。指やペン(Microsoft互換)で操作が可能だ。
OneMix4/4Sまでは、360度回転でタブレットになったが、裏側がキーボードなので手触りが悪かった。OneMix5では背面が牛革の状態でタブレットとなるので、片手で持つのも気持ちがいい。180度回転した状態で、テントモードやビューモードとしても自立するので、より近くで利用することができる。
ディスプレーは10.1インチのLTPS液晶で16対10比率、2560×1600ドットで108.8%sRGBの色域、10点マルチタッチで、ペンは筆圧4096段階を感知する。4Sと並べたわけではないが、輝度と彩度がUPしているように感じた。
底面の吸気口はなくなり両側面で排気
秀逸キーボードにパッドは静音化
ディスプレー裏から底面まで革で包まれているので、内部構造も変更となった。OneMix4Sでは通常のクラムシェルPCと同様に、底面から吸気して後部に排気していたが、OneMix5ではキーボード面から吸気して、左右側面の後部と、本体後部から排気している。
左右に給排気口が設置されたため、OneMix4Sでは3つあったタイプC端子が2つに減っている。また、低面パネルを外してSSDを増設することもできなくなっている。
ファンの速度は「Fn+TAB」キーで高速モードを切り替えられる。「Fn+BS」でファンは静音モードになり、TDPが7Wに落ちる。キーボード奥右にある3連のLEDの中央(バッテリーマーク)がオレンジに点滅して、省エネモードであることが分かるようになっている。
インターフェースは向かって左側にUSB4のType-Cとオーディオコンボジャック、マイクロSD(最高2TB)スロット、右側にはUSB 3.2のType-Cと電源スイッチがある。USB PDは高速充電対応で、電源スイッチは指紋センサー内蔵だ。無線はWi-Fi 6とBluetooth 5.2対応である。
バッテリーは42.35Wh内蔵でオフィースユースでは6~8時間駆動という。4Sでは38Whだったので、容量が11%増加している。
ACアダプターは4Sと同様に最高65W出力で、ちょっと大きくなったが、おかげでAC金具が折りたたみ式となり、持ち歩きやすくなった。本体の左右どちらのType-C端子でも充電できるのも便利である。
サイズは232×167×15mmで重さは970gとなった。OneMix4Sは227×157×17mmで769gだったので、長辺は5mm、奥行きは10mm、厚みは2mm増え、重さは200g増えている。スタイルの変更と本革、バッテリー増量のためだが、重量増加はちょっと痛いところだ。
キーボード配列は4Sと変わらず、メインキーのピッチは18.5mmあり、10型ながら本気でタイピングできる。押下音も静かで、どこでも気にせず利用できる。
タッチパッドも90×47mmと変わらず、高感度でストレスはない。クリック音も4Sより静かになったのは◎だ。
CPU速度は4Sとほぼ同じ
SSDは3倍高速に
OneMix5でベンチマークテストを行ったが、4Sと同じCPUなので、CINEMENCHではマルチで5011、シングルで1543と、4Sの4962と1492から若干速くはなったが、ほぼ同じである。
3DMarkも同様で、TimeSpyで1319が1335に、FireStrikeで3430が3628に、WildLifeで9978が10356へと、数%UPでほぼ同じだった。
SSDについては4SのPCIe 3.0 x4からPCIe 4.0 x4に上がったため、シーケンシャルのマルチリードが2472から7071へ、ライトが1910から6342へと、2.8~3.3倍に大幅に高速化している。
バッテリー持続時間は、ディスプレー輝度100%でWEBアクセスが5時間29分駆動した。4Sでは5時間だったので、バッテリー容量が増えた10%ぶん伸びたことになる。
バッテリー充電は、同様に起動しながらで、50%まで61分、70%まで91分、90%まで121分かかった。
新スタイルでより持ち歩きやすく
タイピングできるミニマムPC
革の手触りは柔らかくていい感触なうえ、カバンに入れて歩くのにインナーケースに入れる気遣いが要らなくなったので、さっと出して使うのも容易になった。
ディスプレーの輝度はスペック上明らかではないが、4Sよりも気持ち明るくなったような気がする。某LAVIE NEXTREME Carbonと並べてみたが、明らかにOneMi5のほうが画面は明るく鮮明だ。
200g重くなったことはシビアなモバイラーには酷だが、バッテリーが増えたぶんと、インナーケースが要らなくなったぶんでなんとか気をまぎらわそう。
軽さだけなら、某富士通のUH-Xが14型で689gを誇るが、片手で持って立ったまま使う、某マクドの狭い机で動画を見るといったときには10型はちょうどいい。きちんとタイピングできるミニマムPCとして、ぜひ手に入れたい逸品であることは変わらない。