AI活用のカメラがスゴい! Pixel 8/8 Pro発表 Pixel Watch 2も 第13回
【写真家レビュー】Pixel 8 Proはカメラとして考えても魅力的なアイテム
2023年12月13日 19時00分更新
個人的に仕事で使いたいのは
全員がいい表情になる新機能「ベストテイク」
複数人が写る集合写真で、全員がいい表情になるという新機能「ベストテイク」は個人的に仕事で使いたくなる。というか、もしPixel 8/8 Proを買ったら使うかもしれない。複数人をすんなりといい表情で撮れるのは、せいぜい3人まで。4~5人になると誰かがよそ見や瞬きをしてしまい、気をつけて撮る必要がでてくる(鹿野調べ)。枚数を撮ればいいかというと、ずっとよそ見をする人がいて、1枚だけこっちを見ていると思いきや、別の人が瞬きということもある。
そこで連写で撮った複数枚から、各人のよい表情を拾って1枚にまとめるのが「ベストテイク」だ。この機能はGoogleフォトに保存されている写真であれば、カメラを問わず実行できる。
そこで以前、息子の保育園で行事の際に撮影した集合写真で試してみた。保育園の決まりで公開はできないのだが、試す素材としてはうってつけだ。実際よそ見や瞬きをしている子に関して、別カットから抽出した顔がいくつも候補で提示された。その中からよい表情を選択すると、瞬きはまったくわからないレベルで修正。よそ見がこちらを向いた顔に修正された子は、さすがに拡大すると不自然な部分もあったが、SNS程度のサイズであれば気付かれないだろう。
また僕の守備範囲を外れるため、今回は軽く試した程度でお見せ(というかお聞かせ)できないのだが、動画の音声を認識・処理する「音声消しゴムマジック」もすごかった。動画から複数の音声を認識し、トラックとして表示。それぞれスライダーでボリュームを調整できる。
たとえば踏切の警報音や電車の走行音、救急車のサイレンなどは「ノイズ」というトラックで表示される。それを最大限までマイナスすると、ほぼわからないレベルまで静かになる。一方で話し声などそれ以外の音声は分離されており、しっかり残すことができた。いわばイヤホンのノイズキャンセリング機能がさらに高度になった感じだ。プロ向けの動画編集ソフトにもやっと搭載されたような機能が、スマホでできてしまうのに驚かされる。
カメラとして考えても8Proは魅力的なアイテム
なんてことを書いた直後の2023年12月7日、突如グーグルから高性能AIモデル「Gemini」が発表された。同日から英語版ではあるが、Pixel 8 Proではモバイルに特化した「Gemini Nano」を体験できる。その恩恵はさまざまで、カメラ機能だけでも動画の手ブレ低減や高画質化、過去に撮影された写真も含めて人物撮影における明るさの向上に寄与するという。
あいにくGemini Nanoは試すことができず、それどころかPixel 8 Proで触ったアプリといえば「カメラ」と「フォト」のみ。写真と少しばかり動画を撮っただけだが、カメラとして考えても8Proは魅力的なアイテムだ。僕個人はアップル経済圏にすっかり取り込まれていることもあり、iPhoneから離れられずにいるが、うまく折り合いがつけばGoogle Pixelシリーズを使ってみたいとも思う。まあ息子は大きくなったら確実に欲しがるだろうなぁ(笑)。
この連載の記事
-
第12回
トピックス
なにかと便利な「Google Pixel Watch 2」の特徴を解説【1週間使用レポート】 -
第11回
スマホ
「Google Pixel 8」は扱いやすいサイズ感で、AIカメラが進化したAndroidスマホのベストバイ -
第10回
スマホ
【先行レビュー】音系AI機能強化「Pixel 8 Pro/Pixel 8」選ぶ理由 -
第9回
スマホ
今年のPixelはスマホも時計も「Pixelらしさ」満点だ(西田宗千佳) -
第8回
スマホ
【グーグル新製品まとめ】AI進化Pixel 8/Pixel 8 Pro、Pixel Watch 2も発表! -
第7回
スマホ
進化したグーグル「Pixel 8」が示すスマホ業界の新たな動向(石川温) -
第6回
AI
GoogleアシスタントがAIチャットボット「Bard」と統合 パーソナルアシスタントに進化 -
第5回
スマホ
Pixel 8/Pixel 8 Proの詳細スペック表掲載! 歴代Pixelと比較する -
第4回
スマホ
Android 14正式版がリリース ロック画面やセキュリティのカスタマイズがさらに可能に -
第3回
ウェアラブル
新「Google Pixel Watch 2」バッテリーや各種センサーが新しくなりFeliCa対応! - この連載の一覧へ