年末商戦が始まった。速報では、米国では過去最高の売り上げを叩き出したようだが、スマートフォンも上昇気流に乗り始めたようだ。2023年10月、27ヵ月ぶりに前年同月比プラス成長を遂げ、今後の見通しも良いという。
2022年6月以来の前年同月比プラス成長
27ヵ月前を覚えているだろうか? 2年以上前の2021年6月、まだコロナ禍の最中と言っていいだろう。
Counterpoint Researchが11月22日に発表した暫定データによると、2023年10月のグローバルでのスマートフォンの販売台数は前年同月比で5%増加。これは2021年6月以来とのことだそうだ。つまり、それから27ヵ月連続で、スマホ業界は前年比でのマイナスを記録し続けたということになる。背景にあったのは、部品不足、在庫積み増し、買い替えサイクルの長期化、そしてマクロ経済の不透明さだ。
そうして迎えた今回、2年3ヵ月ぶりのプラス成長となった。それだけでなく、5%という増加率は2022年1月以来の数字だという。
この業界は1年前、2022年の第4四半期に前年同期比18.3%減(IDC調べ)という過去最大の落ち込みを記録している。市場が縮小した後とはいえ、プラス成長はいいニュースだ。
好調な要因の1つがファーウェイ
昨年より1週間発売が遅いiPhone 15も貢献
好調な要因は何か? Counterpointによると、中東・アフリカ地域が継続して回復基調にあること、インドの正月となる「ディワリ」、そして中国市場で復活を果たしたファーウェイを挙げている。ファーウェイは中国市場では2022年Q2の10%から2023年Q3は14%とシェアを伸ばした。
また、途上国と比べると成長国の回復は弱いとしているが、iPhone 15の発売が、9月前半だった2022年よりも1週間遅いことも10月のスマホ市場に好影響を与えた。
Counterpointは、市場は成長気流に乗ったと見ており、10月だけでなく11月、12月を含む第4四半期は前年同期比プラス成長を見込んでいる。その後の2024年も数四半期はプラス成長が続くと予想している。
Canalysも似たような見方だ。マイナス12%となった2022年に対し、2023年は出荷台数は11億3000万台と予想、前年比5%マイナスではあるが、2024年は11億7000万台と4%のプラス成長に転じると予想している。市場の牽引役は前年比9%増の中東をはじめ、アフリカ、南米。出荷台数は2017年のピークから20%以上を下回ってはいるものの、「暗黒の日々から脱しつつある」という見解をCanalysは出している。
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