ソニーは11月22日、米国通信社のAssociated Press(AP通信)と、報道ワークフローにおけるソニー製カメラでの撮影画像の真正性を証明する技術の実証実験を実施したことを発表した。
本技術により、撮影時にカメラ内のハードウェアチップセットで画像にデジタル署名を付与し、カメラで撮影されたことを報道ワークフロー上で証明することを可能にする。
本技術は、生成AIの急速な進化によるフェイク画像や虚偽の情報の拡散に対応するもの。同社は、画像コンテンツの信頼性が重要な報道機関などのプロフェッショナルに向けて、画像の信頼性をより高めるための、真正性証明技術を開発している。本技術により、撮影時に画像にデジタル署名を付与することで、カメラで撮影したことの証明と、撮影時点から画像が改ざんされたことを検知できる。
ソニーとAP通信は実証実験を複数回実施しており、最新の実証実験は10月に完了。およそ1ヵ月に渡る今回の実証実験では、AP通信の画像納品ワークフローで、カメラで撮影されたことの真正性を証明した。
本実験のために、ソニーは多くの報道業界で使用されているワークフローツール「Photo Mechanic」を開発した米ソフトウェア企業のCamera Bitsと提携。Camera Bitsは、ソニーおよびAP通信と連携し、メタデータ編集プロセス全体を通じてカメラのデジタル署名を保持する技術をPhoto Mechanic向けに開発した。
先日発表されたフルサイズミラーレス一眼カメラ「α9 III」に加え、「α1」「α7S III」は、カメラソフトウェア アップデートにより、ソニーの新しいカメラ内デジタル署名技術とC2PAフォーマットに2024年春に対応する予定としている。