アップルが11月2日(現地時間)付で米国証券取引委員会(SEC)に提出した資料から、同社が今後、iOSアプリのいわゆる「サイドローディング」を含め、アプリストア「App Store」に変更を加える可能性があることがわかった。
アップルの主力製品iPhoneで使われるiOSは、ユーザーがアプリをダウンロードする際、一部の例外を除き、標準搭載のApp Storeを経由する必要がある。App Storeは、競合するAndroidと異なり、サードパーティーのアプリストアやウェブサイトからのダウンロードは認められていない。
こうした状況に待ったをかけたのが、EUで成立した「デジタル市場法(DMA)」だ。同法は大手IT企業による支配的地位の濫用を防ぐ目的で制定され、アップルやアマゾン、バイトダンスなど複数の企業が対象となっている。アップルに関しては、同法を遵守するとApp Store以外からのアプリのダウンロード(いわゆる「サイドローディング」)を認める必要があるため、対応が注目されていた。
資料のなかで同社は「2024年3月までに遵守することが義務付けられているEUデジタル市場法など、App Storeに影響を与える法的イニシアチブの結果も含め、今後もさらなる事業変更をする予定」としてDMA遵守の可能性を表明。今後は「いかに開発者がApp Store以外で消費者とコミュニケーションをとるか」についてなど、同社がこれまで続けてきた商慣習を変更する可能性があることを明かしている。
DMAの対象企業は2024年3月までに同法への対応することが求められており、サイドローディングが許可されれば、EU域内では遅くとも同月には、App Store以外からアプリのダウンロードができるようになる見込み。