AIやクラウドなど新しいテクノロジーを活用
2つめのタイミングは、AIやクラウドといった新たなテクノロジーの力を活用できるようになってきたことだ。
会計データの分析には、これらのテクノロジーが必要になるが、昨今の生成AIの広がりに代表されるように、新たなテクノロジーがより身近になってきたのは周知のとおりだ。
前山社長は、「テクノロジーが進化し、できることが増えてきた。だからこそ、もう一度会計そのものを考えなおし、会計の原点に戻り、あるべき姿や未来を考えた。AIとクラウドといった技術への投資を加速するだけでなく、それに関する人的投資も進め、他社との提携を含めた形で、新たなテクノロジーに対する研究を深めたい」とし、「弥生は、日本で最も多くの中小企業の会計データを共有できる立場にある。言い換えれば、日本一のAIシステムが作れる。そのための投資をこれまで以上に行う。会計ソフトの会社から、AIソリューションカンパニーへと変貌を遂げていく」と宣言する。
そして、3つめは、2023年10月から開始されたインボイス制度や、2024年1月からの電子帳簿保存法によるデータ保存の義務化など、中小企業の会計データのデジタル化が一気に進展するタイミングと重なっており、データ活用の広がりや、その前提となるクラウド活用の広がりが期待される点だ。これも、弥生が目指す「会計の民主化」の実現には追い風となる。

この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ