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ライカ、“世界初”フェイク対策カメラ「M11-P」。撮影時に真正性を担保

2023年10月27日 17時30分更新

文● ASCII

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M11-P(ブラック・ペイン、シルバー・クローム)

 ライカは、「コンテンツクレデンシャル機能」を内蔵した世界初のカメラ「M11-P」を発表した。同日よりライカの直営店、オンラインストア、正規販売店にて全国で販売開始した。直販価格は147万4000円。

ライカM11-Pで撮影された写真。画像の右上には、名前、日付、変更点、使用したツールなどの情報を含む、コンテンツクレデンシャル機能が確認できる

 M11-Pは、デジタル画像の真正性を保護するために、撮影時に「デジタルコンテンツの栄養成分表示」とも呼ばれるコンテンツクレデンシャルを添付してメタデータを保存する。コンテンツクレデンシャルは、業界標準としてさまざまな種類のコンテンツに対して広く採用されており、オンライン上でコンテンツの信頼性と透明性を高める基盤として活用されている。

 また、アドビ主導のコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)が提供するオープンソース規格に基づく機能として、画像に安全なメタデータを付与する機能を搭載。本機能により、画像データの生成と編集の透明性をさらに高めることが可能になる。撮影者の氏名や撮影日、使用したカメラの機種のほか、どのような編集がされたかの履歴などを安全な方法で記録できるため、画像の出所と来歴を把握できる。

 CAI準拠の証明書に裏付けされたデジタル署名も画像に付与。画像の真正性は、CAIが提供する無償のオープンソースのツールや、ウェブサイト「Verify」で確認できる。

 本機能で採用している技術は、カメラ内の特殊なハードウェアを通じて画像の真正性を証明できるようにするもので、ドイツ連邦印刷局発行のデジタル証明書を保存するための特殊なチップセットが含まれる。本機能により、画像の来歴を確実に証明できる仕組みを実現した。

 本機能は、「Leica Content Credentials(ライカコンテンツクレデンシャル)」という名称で搭載。メニューから設定でき、オンにすると液晶モニター上に「Content Credential」のロゴが表示され、撮影するたびに信頼性を確保する署名が特殊なアルゴリズムによって画像に付与される。

 撮影したカメラの機種、メーカー、画像の撮影情報も付与できる。これらの情報は後から改変できない一方で、CAIが無償で提供するオープンソースのツールでいつでも確認できるため、画像の真正性を担保する証明として利用可能。画像が撮影時のオリジナルなのか、編集されたものなのかを把握できるほか、どのような編集が行われたかの履歴も確認できる。撮影者は撮影から公開までのすべての過程において写真の真正性を示すことが可能となる。

編集された画像をAdobe Photoshopからエクスポート後、Verifyを使って画像の真正性を確認できる

 M11-Pには、その他にもM11とは異なる要素が随所に取り入れられている。外観デザインにおいては、トップカバーの正面に「Leica」の赤いロゴを配置せず、その代わりに、トップカバーの上面に筆記体のLeicaが刻印されている。

 トップカバーは、ブラックはアルミニウム、シルバーは真鍮の削り出しを採用。ボディー部分は高強度のマグネシウム合金のフルメタルで、デリケートな内部をしっかりと保護する。背面の液晶モニターはサファイアガラス製で、反射防止と表面保護の効果があるコーティングが施され、難しい光の状況下でも画像をしっかりチェックしやすい仕様としている。

 撮像素子と画像処理エンジンはM11と同様で、トリプルレゾリューション技術を取り入れた6000万画素の裏面照射型CMOSセンサーおよび「LEICA MAESTRO III(ライカ・マエストロ・スリー)」を採用。内蔵メモリーは大容量の256GBにアップしている。

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