アメリカや日本でスマートフォンなどを展開している「Orbic(オルビック)」はアラブ首長国連邦、ドバイで開催している中東最大のIT展示会「GITEX 2023」に出展した。同社ブースは商談を目的とした製品展示をしており、日本向けにも販売中の4Gスマートフォンやタブレット、さらに5Gに対応した新製品がいくつか紹介された。
Japan Orbicのダニー・アダモポウロス社長によると、5G新製品は日本でも展開される予定とのこと。なお、開発中の製品も多く、詳細スペックは現時点ではまだ未定。製品名も仮のものとのこと。
日本では4Gモデルを展開している同社だが、今後は5G製品を積極的に投入する考えだ。まずは5Gに対応したモバイルルーターが日本で発売される。「Orbic Speed 2 5G」は5G Sub 6対応のポケットサイズのルーターだ。日本での発売時期や価格はまだ未定だが、早ければ年内にも製品が登場するかもしれない。
同社はアメリカでディスプレーを搭載したミリ波対応の5Gモバイルルーター「Orbic Speed 5G UW」を、ベライゾン・ワイヤレス向けに販売している。Orbic Speed 2 5Gはディスプレーを搭載しない普及型モデルということで、価格もその分引き下げられるだろう。アメリカ向けにはミリ波を搭載しており、販売国ごとに無線周りのカスタマイズが可能な設計になっている。
5G対応タブレットも2製品が展示されていた。ただし、残念ながらどちらもモックアップで動作確認はできず。2つの製品はいずれも2024年に販売予定で価格なども未定。モバイルルーター同様に販売国ごとにSub 6またはミリ波対応で発売される。日本への投入については前向きに検討中とのことだ。
10型のタブレット「Orbic TAB10 5G」は5G通信に対応するタブレット。日本で発表された「Orbic TAB10R 4G」の後継機と言える。チップセットやディスプレー解像度、バッテリー容量などはまだ不明である。手に持ってみると本体の厚みは薄いと感じられた。
背面はツートンカラー仕上げで、カメラはデュアル仕上げ。周囲のエッジ部分は丸めた形状になっているため片手でも持ちやすい。また、nanoSIMとeSIMに対応する予定だ。
アクセサリーとしてスタンドになるカバーや、キーボード付きのブック型カバーも発売される予定だという。スタイラスはOrbic TAB10R 4Gと共通のものになるようだ。
小型サイズの「Orbic TAB8 5G」はTAB10 5Gをそのまま小さくしたような大きさ。こちらもスペックなどは不明。背面カメラはTAB10 5Gと同様のデュアルで、おそらく同じセンサーを搭載すると考えられる。
スマートウォッチは開発中の製品だが、動作可能な実機が展示してあった。最大の特徴はLTEに対応していることで、単体での通話や通信が可能だ。
充電は専用の充電台に装着して行なう。充電台の端子はUSB Type-Cだ。本体は軽量で腕につけていてもラクに扱うことができる。画面のタッチ感度も悪くなく、活動量計、心拍数とSpO2計測などアクティビティートラッカーとして一般的な機能をほぼ搭載している。
本体の厚みは若干あるように思うが、軽量なので気になるほどでもない。ボタン1つと画面スワイプによる操作も複雑ではないだろう。4G対応ということで価格が気になるが、通信キャリアが契約込みで低価格で販売することも期待できそうである。このスマートウォッチも日本向けは現時点では未定とのこと。
ほかにはフィーチャーフォンのタフネス仕様モデルのモックアップも展示されていた。IP68の防水防塵に対応し、4Gモデムを搭載、OSはKaiOSでグーグルマップやFacebookなどのアプリが利用できる。
日本市場にはOrbicのフィーチャーフォンは投入されていない。だが最近になって「Mode1 RETRO II」が発売されるなど、日本でもフィーチャーフォン需要はまだ高い。タフ仕様になったことで壊れにく、現場用途にも使える本製品の日本投入も期待したいものだ。