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佐藤琢磨も登壇。Honda、若い人の夢を叶えるためのスクール「HRS」の説明会を実施

2023年10月07日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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佐藤琢磨選手も卒業生! 最大限の支援をしたい

Kart/Formulaクラスの佐藤琢磨プリンパル

 続いてKart/Formulaクラスの佐藤琢磨プリンパルが登壇。「僕がレースの世界に入るきっかけを作ってくださった、モータースポーツを始めるきっかけになったのがこのスクールです。自分はスクールの3期生なのですが、当時1997年で、20歳になるときにレーシングスクールの記事を見つけて、本当にこれしかないと思いました」と26年前のことを振り返りつつあいさつ。

 「国内外を問わず、2輪のライダー、4輪のドライバーの多くが、このスクールの卒業生がトップになっているケースが多いです。自分も責任をもちながら、できる最大限の支援をしたいなと思います」と決意を語った。

TONY KART/ROTAX 125

4輪のカリキュラムは2コースに分かれる

 カリキュラムについて。4輪はカート、フォーミュラとクラスが分かれており、カートクラスはその中でもさらにベーシックコースとアドバンスコースに分かれる。

 ベーシックコースは、全日本トップレベルのカートレーサーが多い中で「キッズカートを含めて小学生で初めてゴーカートから始めた子供たちにとっても非常に意味のあるコースだと思っています」というと、展示されているカートを見ながら「大体11歳ぐらいから乗れるのですが、全日本選手権の現役トップドライバーと同じ道具、同じ場所で技やスキルを学びながらトレーニングを積むことができます。その中から優秀な生徒がアドバンスコースという風につながっていきます」と説明。

 アドバンスコースは午前中はベーシックコースと同じだが、午後は昔から使っている教習車(Formula Enjoy、Formulaクラス車両など)で鈴鹿の南コースを走り、クラッチやシフト操作から始まって、重たいフォーミュラーカーを学び、次のフォーミュラクラスへの準備をするという流れになる。

 フォーミュラクラスは、今とても狭き門になっていて、応募だけで30名を超えるという。今もSTEP1、STEP2と絞り、アドバンスコースに進む8名を選出している。そして今年は1回で2日間のトレーニングコースを6回行ない、日本のトップ選手たちと一緒に走ることになる。その後、アドバンスコースの8名の中からさらに4名に絞られて、スカラシップ獲得者としてF4へと進出する。

 走るだけでなく、2輪同様の基礎習得やマシンメンテナンス、そしてコースによってはシミュレータートレーニングなどもある。

 気になるお値段だが、Motoクラスのベーシックコースが69万9000円、アドバンスコースが116万6000円。Kartクラスのベーシックコースが160万6000円、アドバンスコースが192万5000円。

 Formulaクラスは、アドバンスコース入校のためには試験(STEP1が12万6500円、STEP2が17万6000円)が必要。そしてアドバンスコースが412万5000円となる。

 これらはすべて年額で、それぞれに年齢制限がある。いわゆる「習い事」としてみると、かなり高額になるうえに、受講したからといって必ずプロドライバーになれるわけではない。だが、使う道具や講師陣を考えると、このくらいは仕方ないだろう。

 佐藤プリンシパルは、トップを目指す資質として「本人の貪欲さといいますか、熱意と取り組みがあって初めて機能するものと信じています。そして最近では10代の若い子も乗っているんですけれども、昨今の若年化、特にF1を目指しているドライバーにとって、早くから学べるのは非常に重要なポイントではないでしょうか」と語った。

プロのコダワリが詰まったピカピカの教習車

 20年ぶりとなる教習車「HRS-F24」は、全長4795×全幅1755×全高953mmで、シャシーは東レ・カーボンマジック製。気になるエンジンは戸田レーシングの手による2107㏄自然吸気で、最高出力132Kw(約180PS)を発生する。安全面ではHALO(ヘイロー。ドライバーの頭部を守る保護装置)をはじめとして、衝突安全性能が向上したほか、イマドキのフォーミュラーカーらしくパドルシフトが採用されているのもポイントだ。

レーシングドライバーの野尻智紀選手

 開発に携わった野尻智紀選手は「より乗りやすい、コントロールしやすいクルマにするというのが第一のテーマでありました。僕が取り組んだのはドライビングフィールですね。今までの車両ですと、ややピーキーな特性がありました。それが限界を引き出すまでに時間がかかるという部分があったのですが、新型車両になったことで、よりコントロールしやすい、経験の少ない生徒達がより慣れるまでに時間がかからないようになっています」と語った。

 このマシンは先日行われたF1日本グランプリでお披露目されており、佐藤プリンシパルもドライブ。大観衆の前で走れたことが楽しかったと語ると「我々がこだわったのは自然吸気エンジンであることです」とにこやかに笑った。

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