大阪大学の研究チームは、架空の都市画像とアノテーション(注釈)のペアを自動的に生成する手法を開発した。生成したデータは深層学習の学習データとして利用できる。都市景観のシミュレーションを目的とした深層学習では、大量の学習データを用意する必要があり、データの作成コストが障害になっている。
大阪大学の研究チームは、架空の都市画像とアノテーション(注釈)のペアを自動的に生成する手法を開発した。生成したデータは深層学習の学習データとして利用できる。都市景観のシミュレーションを目的とした深層学習では、大量の学習データを用意する必要があり、データの作成コストが障害になっている。 今回の研究では、架空の都市の現実的な3次元データを生成できる「プロシージャルモデリング」という手法と、現実的な画像を生成できる深層学習の画像変換技術を組み合わせた合成データ自動生成法を開発した。この手法では、都市を走る通りの本数や、都市の縦横方向の寸法、描き出す構造物の種類など、生成したい都市のパラメーターを入力するだけで、学習データの基となる3次元都市モデルを自動的に生成し、そのモデルから大量の学習データを生成する。 開発した手法で生成したデータでモデルを学習させ、現実世界の都市の画像を処理させたところ、手作業で現実世界の画像から作成したデータで学習したモデルと同程度、もしくはより優れた精度で現実世界の建物を検出したという。 研究成果は9月1日、アドバンスト・エンジニアリング・インフォマティクス(Advanced Engineering Informatics)誌にオンライン掲載された。(笹田)