VAIOは「ビジネスモバイルPCの最適解」をコンセプトにした13.3型モバイルノートPC「VAIO S13」を発売した。
本製品はVAIOのモバイルPCとしては初めて16対10比率のディスプレーを採用。もちろん第13世代(Raptor Lake)のインテルCoreプロセッサーを搭載し、eSIMと物理SIMのデュアルSIMに対応するなど、2023年のビジネスモバイルノートPCに求められる性能、機能性を備えている。
最軽量構成でほぼ1kgの軽量ボディー、21.5時間のバッテリー駆動時間も実現しているのもポイントのモバイラー注目のマシンなのである。
CPUは省電力特化型のUプロセッサーを採用
インターフェースはタイプA×3も
「VAIO S13」はOSに「Windows 11 Home」/「同Pro」、CPUには
「Core i3-1315U」(6コア[2P+4E]、8スレッド、4.50GHz、15W)
「Core i5-1334U」(10コア[2P+8E]、12スレッド、4.60GHz、15W)
「Core i7-1355U」(10コア[2P+8E]、12スレッド、5.00GHz、15W)
を採用。メモリーは8GB/16GB/32GB(LPDDR4X、増設不可)、ストレージは256GB/512GB/1TB(PCIe Gen3 x4接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは13.3型WUXGA液晶(1920×1200ドット、16:10、60Hz、1677万色、アンチグレア)を搭載。HDRコンテンツの再生やタッチ操作には非対応だ。ディスプレー上部には92万画素ウェブカメラ、顔認証カメラ、マイク×2を内蔵。物理的なプライバシーシャッターも装備されている。
インターフェースはThunderbolt 4(USB 4、USB Power Delivery、DisplayPort 1.4)×1、USB 3.0 Type-A×3、HDMI×1、有線LAN(1000BASE-T)×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.1をサポート。またnanoSIM+eSIM構成のWWAN機能を選択可能だ。その場合にはGPS/Glonass/BeiDou/Galileo対応のGPS機能も利用できる。
本体サイズは299.3×221.1×17.7~19.6ミリ、重量は1.072~1.084kg。51Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵し(Battery reportで確認)、バッテリー駆動時間はJEITA Ver.2.0で約21.5時間、動画連続再生で約13時間とうたわれている。カラーはブラックとブロンズの2色展開だ。
ボディーは比較的軽量に仕上げられているが、MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した品質テストをクリア。全機種共通品質試験として、埃、落下、輻射、振動、静電気、衝撃、開閉、摩耗、液晶加圧、コネクター強度、梱包落下・振動、環境、静音、いじわる、エージング/電圧、梱包重量チェックなどが実施されている。
また全製品に対して、安曇野市の本社工場で約50項目に及ぶ品質チェックが実施。パフォーマンス、使い勝手と並ぶ現在のVAIOのアドバンテージが信頼性だ。
キーボードの打鍵感&効率はSXクラス
ディスプレー&カメラもVAIOクオリティ
VAIOには、ハイエンドの「SX Line」、アドバンストの「S Line」、スタンダードの「F Line」が存在するが、キーボード、タッチパッドの操作感には違いがない。ただしVAIO S13はバックライトが内蔵されていない点には注意。とは言え個人的にはキーボードはディスプレーの明かりに照らされているで、なくて困ったことはない。
VAIO S13は、キーピッチは約19ミリ、キーストロークは約1.5ミリ確保されており、打鍵感はよく、打鍵音も低め。キーボードの入力効率という点ではSXシリーズと遜色ない。個人的には手脂が目立たない防指紋塗装が非常に気に入っている。どんなにデザインのいいノートPCであっても、キートップに指紋が目立つようであれば台無しだ。
ディスプレーの色域については特に公表、アピールされていないが、カラーキャリブレーション機器で実測したところ、sRGBカバー率は97.8%、sRGB比は104.9%、AdobeRGBカバー率は76.0%、AdobeRGB比は77.7%、DCI-P3カバー率は77.2%、DCI-P3比は77.3%という値が出た。
写真や動画の色調整などに使うにはやや不足だが、モバイルノートPCとしては平均以上。一般的なビジネス用途であれば実用上十分な色域だ。
ディスプレー上部の92万画素カメラには、ビデオ会議の体験を向上させる機能を搭載。「VAIOの設定」の「カメラ」では、「背景ぼかし」や「美肌効果」などを有効化可能だ。
この設定は、ウェブカメラを利用するすべてのアプリで適用される。ビデオ会議アプリごとに画質設定する手間を省けるので、標準機能として採用されている点は本当に便利だ。
また「AIノイズキャンセリング機能」も実装されており、自分の声をクリアに届けるだけでなく、相手の声も聞き取りやすい音声で再生可能だ。
R23のCPUは7779pts
バッテリーは実測で約11時間動作!
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