グーグル傘下のYouTubeは9月21日(現地時間)、クリエイターを対象にしたイベント「Made On YouTube」を開催。生成AIで「YouTubeショート」の背景を作成する「Dream Screen」をはじめ、いくつかのツールを発表した。
YouTubeショートの背景を生成する「Dream Screen」
2020年(日本では2021年)にサービス開始されたショート動画サービス「YouTubeショート」は、世界中のYouTubeユーザーの支持を受け、毎日700億回以上再生されている。
年内にサービス開始される「DreamScreen」機能を使えば、「Panda drinking coffee(コーヒーを飲んでいるパンダ)」といったプロンプトを入力するだけで、AIが生成した動画や背景をYouTubeショートに追加できる。
モバイル動画編集ツール「YouTube Create」
「YouTube Create」は、簡単な操作で動画(ショート・長尺)を作成・共有できる新しいモバイルアプリだ。
通常の編集作業に加え、自動字幕起こし・ナレーション機能や、様々なフィルター、エフェクト、トランジションが用意されている。また、ロイヤリティフリーの音楽ライブラリへのアクセスも可能になっている。
スマートフォン1台で撮影からアップロードまで完結できる仕組みは、特にリソースの限られているビギナーや小規模事業者には朗報だろう。
現在、米国、ドイツ、フランス、英国、インドネシア、インド、韓国、シンガポールを含む一部の市場でAndroid向けのベータ版が公開されている。日本での公開時期は現在のところ不明だ。
AIで自動吹き替えできる「Aloud」
YouTubeは世界中の視聴者にリーチしているのに、言語の問題で自国の人にしか見てもらえないのは効率が悪い。AI搭載の吹き替え機能「Aloud」を使えば、母国語以外の言語を話す視聴者にもリーチできるようになる。
現在は英語、スペイン語、ポルトガル語で試験運用中。日本語対応が切望される。
動画のネタ出しもAIにお願いできる
管理ダッシュボードツール「YouTube Studio」では、生成AIを活用して、動画のアイデア出しやアウトラインの作成が可能な「AI Insights(AIインサイト)」機能が来年導入される。
初期バージョンのβテストでは70%以上のクリエイターが、動画のアイデア出しに役立っていると回答している。
これらの改善についてYouTubeのCEOニール・モーハン氏は「世界中のクリエイターが好みのコンテンツを簡単に作れるようにすることは、何十億もの人々の手にクリエイティブな力を届けるというYouTubeのコミットメントの中核をなすものです。素晴らしいクリエイターやアーティストがYouTube でどのようなものを作るのか、楽しみでなりません」と述べている。