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食事宅配アプリのUI変更と緑のポイントで廃プラが激減

2023年09月11日 06時01分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学、香港大学、北京大学、アジア開発銀行の研究グループは、中国の食事宅配サービスにおけるグリーン・ナッジ(環境配慮行動を後押しする手法)の導入効果を検証した。中国アリババグループの協力を得て、同社が運営する「Eleme」で使い捨て食具(カトラリー)の削減効果を分析した。

東京大学、香港大学、北京大学、アジア開発銀行の研究グループは、中国の食事宅配サービスにおけるグリーン・ナッジ(環境配慮行動を後押しする手法)の導入効果を検証した。中国アリババグループの協力を得て、同社が運営する「Eleme」で使い捨て食具(カトラリー)の削減効果を分析した。 具体的には、上海市、北京市、天津市の顧客を対象に、アプリでの注文時の標準設定を「カトラリーあり」から「カトラリーなし」に変更。さらに、カトラリーなしを選んだ注文を対象に、「アントフォレスト・グリーンポイント」を付与するようにした。金銭的価値はないものの、貯めると自分の名前で中国の砂漠に植樹がされるポイントだ。 これら2つのグリーン・ナッジは、2019年7月(上海市)、2020年5月(北京市)、2020年12月(天津市)に導入。変更がなかった都市の顧客との行動変化を比較する「差の差(difference-in-differences)」の手法で、2つのグリーン・ナッジの効果を厳密に測定した。その結果、グリーン・ナッジの導入によってカトラリーなしの注文の割合が変更前の約3.1%から平均して約20.1ポイント増加していた。取り組みを中国全土で導入すると、年間217億5000万セットを超える量の使い捨て食具を節約でき、プラスチック廃棄物を年間326万トン削減できるとしている。この値は中国の食事宅配業界が発生させる全プラスチック廃棄物量の20.4%に相当するという。 研究成果は9月8日、サイエンス(Science)誌に掲載された。

(笹田)

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