エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩
大阪・万博記念公園に、太陽の塔の初代「黄金の顔」が31年ぶりに常設展示で戻ってきたぞ
大阪府・吹田市の万博記念公園内にある、EXPO'70パビリオンに新たに「別館」が完成し、2023年8月11日から公開が始まった。この別館では、1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会(以下、「大阪万博」)当時、太陽の塔の頂部に設置されていた未来を象徴する「黄金の顔」の初代を初めて立てて展示するほか、当時のにぎわいや熱気などが伝わる「EXPO'70体感ギャラリー」を設置、大阪万博を彩った「ホステス」のユニフォームなど、当時の様子を体感できる数多くの資料や作品を展示している。
筆者は、万博記念公園の運営を審議する審議員を2016年から7年続けていて、この新しい別館のコンセプトや内容の審議にも参加してきた。8月10日には、吉村洋文・大阪府知事らが出席して、オープニング記念式典が行われ、参列してきた。
直径10.6メートル、重さ約12トンの「黄金の顔」が初めて立った形で展示される別館は、ユニフォームからリニアモーターカー、恐竜まで見どころがいっぱい
別館の目玉は、太陽の塔の最上部に取り付けられている「黄金の顔」の初代(直径10.6メートル、重さ約12トン)。初代は鋼板337枚を組み合わせて製作されたもので、表面に金色の特殊フィルムを貼り付けていたが、風雨による劣化のため、1992年に風雨に強いステンレス製の2代目(レプリカ)に交換された。鋼板は、スチールに亜鉛メッキをされ、当時の最新技術だった塩化ビニール製マーキングフィルムが貼られていた。
初代はその後、万博記念公園内の収蔵庫で保管され、EXPO'70パビリオンの開館1周年の2011年や、あべのハルカス、江戸東京博物館などで展示されたが、立てた形で常設展示されるのは31年ぶりとなる。太陽の塔の外側には過去、現在、未来を表す三つの顔があり、「黄金の顔」は未来の象徴。
オープニング記念式典では、河内屋菊水丸さんの、別館を寿ぐ河内音頭の万博バージョンと、NMB48のメンバーによる、1970年の大阪万博公式ユニフォームのファッションショーが行われた。
【館内の展示】
●太陽の塔の内部、生命の樹の生物模型群
太場の塔内部には、高さ約41mの「生命の樹」があり、現在は修復再現され公開されているが、別館には、当時取り付けられていた292体の生物模型群の一部や資料などを展示している。
●岡本太郎氏の仮面、リニアモーターカーの模型、記録映像空間など
岡本太郎氏が制作した仮面や、日本館で展示されていたリニアモーターカーの模型、2018年に再現された「地底の太陽」の1/10原型、精密な会場模型などを展示。当時の記録映像を編集したものを壁面で楽しめる工夫も。本館から別館への通路は未来感のあるつくりに。
●大阪万博のホステスたちのユニフォーム当時のチケット、スタンプなど
大阪万博では、ホステスと呼ばれた女性たちのユニフォームが最先端デザインのファッションショーのような華やぎで会場を彩った。また、当時のチケットや記念メダル、スタンプなども展示している。
●撮影スポット
別館から本館へ戻る際は野外芝生広場から移動でき、遠くに太陽の塔を望む撮影スポットがある。写真はNMB48のメンバー。筆者左端に。
【施設概要】
住所
大阪府吹田市千里万博公園
入館料
・個人
大人1人:1回500円 ※中学生以下無料
・団体
大人20人以上199人以下:1回400円 ※中学生以下無料
大人200人以上 :1回350円 ※中学生以下無料
・万博オールパスポートを所持している人
大人1人:1回400円 ※中学生以下無料
※別途、自然文化園・日本庭園共通入園料(大人260円、小中学生80円)が必要。
※中学生以下の入館は、保護者の方の同伴をお願いしている。
開館日時
【通常】
開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日 :毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は直後の平日)、年末年始
※ただし、4月1日から5月2日まで、及び10月・11月は無休。
【2023年8月25日から27日】
上記の期間は特別に、以下のとおり開館時間を延長。
開館時間:午前10時から午後7時まで(入館は午後6時まで)
留意事項
当面の間は混雑が見込まれることから、整理券の配布を行う。
○整理券の配布開始時刻:当日午前9時50分から
○整理券の配布場所:EXPO'70パビリオン入口前
公式サイト
https://www.expo70-park.jp/
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