おいしい「コトモノ」レッツトライ! 第49回
「うなぎ_STYLE」編集長の中西さんにインタビュー
今年のうな丼は「松屋」が1位 うなぎ専門メディアにきく2023年のうな丼のスゴさ
2023年07月27日 17時00分更新
ごきげんよう、アスキーグルメのナベコです。今年の土用の丑の日は7月30日。ちょうど日曜日に当たるのでうなぎを食べるぞと意気込んでいる方も多いのでは。牛丼チェーンやファミレスでは、私達のために、お手頃価格でうなぎを用意してくれています。
ところで、うなぎと丼の情報発信サイト「うなぎ_STYLE」では、2021年から身近な場所で、リーズナブルな価格で食べられる大手外食チェーンの「うな丼」をブラインドテストし、あらゆる角度から美味しさを総合評価する「うな丼チェック」を毎年実施しているってご存知ですか? 今年も最新の調査結果とランキングが発表されました!
「うな丼チェック2023」の結果は?
なんと今年の1位は、おなじみ我らが牛めし「松屋」、続いて2位はファミリーレストランの「ガスト」、3位は牛丼の「吉野家」です。パチパチパチパチ!
なんでも「うな丼チェック」は、うなぎビジネスに20年以上携わるプロを評価員に迎えた本格評価ランキングなんです。先入観がないよう社名を隠した上、「外観」「蒲焼き」「ご飯とタレ」の3つの指標を設け、総合点で順位をジャッジした結果なんですって。
ここまで厳密に調査されているとはカンペキすぎて、不詳アスキーグルメのナベコも目からうなぎ、じゃなくて目からウロコが落ちました。すごすぎるぞ!「うなぎ_STYLE」さん。あまりのリスペクトから「うなぎ_STYLE」の編集長 中西さんに会いに行ってきました。今年のうなぎの傾向や「うな丼チェック」の評価の裏側をバッチリ聞いてきましたよ!
■情報サイト「うなぎ_STYLE」とは?(https://unagi-style.com/)
BGI JAPANが運営するうなぎと丼物の情報発信サイト。2020年から専門家によるうな丼のブラインド調査「うな丼チェック」を始め今年で4回目。 うなぎをはじめとした様々な丼物を専門家によるブラインドテストを行なうと同時に、食の安全や安心を一般消費者向けに啓蒙する活動や、食セミナー・イベント開催するなどして、食を取り巻く生産・流通・販売に関係する人々と消費者を正しく繋ぐことを目的としている。東京新聞と共催で「日本流行丼大賞」を毎年実施。
うな丼チェックではブラインドテストを実施。対象商品は同じ店で、同じ日時に購入した品を小分けして食べる、試食している時は、評価員同士の会話や感嘆の声は禁止など徹底ぶり。
松屋がランキングトップに急浮上
今年のうな丼はレベルアップしている!
アスキー ナベコ(以下ナベコ):中西さん、どうぞよろしくお願いします。
うなぎ_STYLE 中西さん(以下中西):よろしくお願いします。ナベコさんは、今年の「うな丼チェック2023」ランキングを見てどう思われましたか?
ナベコ:松屋が1位なんですね!驚きました。
中西:我々もそれは驚きでした。松屋さんは去年まで、販売期間の関係で調査対象に選んでいなかったので、これまでもレベルが高かった可能性はあります。全体的にみても、2023年のうな丼について言えば、以前よりレベルアップしていると感じています。
ナベコ:おお~(興奮)!
中西:うな丼に対する、各社の研究の成果を感じられます。我々は、価格と重量で「お得度」も評価しているのですが、例えば、3位の吉野家さんはお値段が1185円。昨年よりおよそ100円ほど上がっていて、すき家さんも昨年より40円上がって890円になっていますよね。
ナベコ:物価高騰の時代ですからね……。
中西:それに対して、松屋さんは980円で、価格的にもちょうど中間くらい。蒲焼の重量も吉野家さんは大きい104g、すき家さんは小さめの75gのところ、松屋さんはほどほどの80g。こういうのは狙わないとできないものなんです。もちろん、他社も同じように研究して研鑽を重ねているから、ランキングの下にいるガストさんや、すき家さんが悪くなったわけではありませんよ。各社の研究の結果が、全体的にレベルを高めているんだと考えています。
ナベコ:なるほど……、重量と価格から戦略まで見抜くとは! 牛丼チェーンだけでみると、吉野家さんは年間通してうなぎを出しているから強いのかな?、と思っていたのですが。
中西:歴史の長さという意味では、一番真剣に取り組んでいるのはすき家さんですね。すき家というより、ゼンショーグループ全体、と言った方が正確かもしれません。はま寿司さんや和食の華屋与兵衛さんなどを含めると、ウナギの買い付け量が半端ないですから。うなぎを最も多く使用している外食企業ではないでしょうか。
ナベコ:なるほど! 確か、ゼンショーさんはうなぎの養殖段階から関わっていますよね。
中西:そうです。うなぎの食文化を将来に継承するための財団(一般財団法人 鰻の食文化と鰻資源を守る会)も設立しています。また、今年2位のガストさんは、毎年、非常にレベルの高いうな丼を出しているんです。ちなみに2020年〜2022年には1位でしたし。昔からファミリーレストランはうなぎを提供していましたからね。
ナベコ:へえ〜、どれくらい昔から出ているんですか?
中西:ざっくり1990年代ぐらいですかね。うなぎの値段が安くなり、台湾や中国での養殖が始まった頃です。海外の養殖うなぎが流通し始めて、外食チェーンでもうなぎを多く出すようになったんですよ。ファミリーレストランはお客さんの年代が幅広いですから、高齢の方にも喜ばれるうなぎがいち早く取り入れられたんですね。
ナベコ:牛丼チェーンよりも前から出していたんですね。
中西:様々なジャンルや食材を扱って、誰しもに喜ばれる食事を提供するのは、いわばファミリーレストランの宿命ですから。うなぎも非常においしく仕上げているんですよ。歴史が長い分、研究を積み重ねてきた強みもありますね。
ナベコ:ランキングでも、2位がガストですね。
中西:3位の吉野家さんも確実においしくなっていますしね。各社のレベルがどんどん上がっているんです。
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